Gartnerは米国時間8月18日、先進テクノロジのハイプサイクル2015を発表した。
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ハイプサイクルとは、新技術が登場し実際に普及するまでに、メディアやユーザーの期待が時間経過とともに、どのように変化していくかを示したものだ。縦軸がユーザーやメディアの期待度、横軸が時間軸や技術成熟度を示しており、以下の5つのフェーズがある。
- 黎明期(Innovation Trigger) 新技術への関心が高まる時期
- 過度な期待のピーク期(Peak of Inflated Expectations) 期待が最も大きい時期
- 幻滅期(Trough of Disillusionment) 急速に関心が失われる時期
- 回復期(Slope of Enlightenment) 利点と適用方法が徐々に理解されるようになる時期
- 安定期(Plateau of Productivity) 本格的な導入や採用が行われる時期
過度な期待のピーク期には、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)に加えて、自動走行車(Autonomous Vehicles)や機械学習(Machine Leaning)などが入っている。機械学習は2014年から新たに追加されたキーワードで、Amazon Machine Learningや Azure Machine Learningなどのクラウドサービスも登場している。
Gartnerでは、注目すべき変化において、自動走行車をあげており、すべての主要な自動車メーカーが、今後の自社の開発ロードマップにおいて、自動走行車を展開していくだろうとしている。
自動走行車では、GoogleやTesla Motorsなどの企業が開発を進めており、Appleも自動走行車の試験走行の準備を進めていると言われている。
日本では、日産自動車が2013年8月に「日産自動車、自動運転の取り組み」を公表し、2020年に『高速道路、一般道路を含めた公道上で、人間の操作がほとんど不要な自動運転技術を実用化する』で発表したように、トヨタ自動車など、主要自動車メーカーも自動走行もしくは自動走行支援に向けた開発を進めている。
政府では、経済産業省と国土交通省は6月に、「自動走行ビジネス検討会中間とりまとめ報告書」を発表し、日本が自動走行において競争力を確保するとともに、世界の交通事故の削減などに貢献するために必要な取組について、産学官で検討を進めている状況だ。
McKinsey Global Instituteが2013年5月に発表した「Disruptive technologies(破壊的技術)」によると、自動走行車もしくは準自動走行車の2025年の経済的効果は、2000億ドル~1兆9000億ドルと予測しているように、異業種参入による市場成長が見込まれている。