海外コメンタリー

OpenStackのミランティスに出資するインテル--その真の狙いを探る

Matt Asay (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル 2015年08月28日 06時30分

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 プライベートクラウドにまたしても巨額の資金が投じられる。今回は1億ドルだ。

 IntelはMirantisへの1億ドルの投資ラウンドを主導した。Mirantisは「OpenStack」への貢献度で(Red HatとHewlett-Packardに次ぐ)第3位の企業だ。The Wall Street JournalのDon Clark氏は、「Intelの新たな取り組みは、決定的なものではないにせよ、OpenStackを法人ユーザーにとってさらに魅力的な製品にするのを促す可能性がある」と指摘する。

 確かにその可能性もあるだろうが、今回の出資で重要な点はそこではない。

 今回の投資から、OpenStackの未来はあまり見えてこない。同プロジェクトの使いやすさが改善されないうちは、展望が開けてこないだろう。1億ドルの出資から見えてくるのは、むしろIntelの未来だ。

欲しいのは自社が支配する世界のみ

 Intelは困難な状況にある。2社による寡占体制「Wintel」でデスクトップ市場に君臨し、サーバ市場で巨大なシェアを握っているが、モバイル分野とクラウド分野ではその他大勢という位置づけだ。

 IDCは、主にモノのインターネット(Internet of Things:IoT)がけん引役となるデータセンターの需要は2019年までに750%拡大する見通しであると予想している。インテルは「モノ」のチップ市場でチャンスをつかみ損ねていないだけでなく、「インターネット」の側にも滑り込もうとしている。

 筆者は過去の記事で次のように書いた。「成功の尺度は、企業が規模の拡大に対応するために構築したデータセンターの数とされることが多かったが、IoTは一部の企業しか対応できないほどの速さで進歩しているのかもしれない。Facebook、Twitter、Google、Amazon Web Services(AWS)について考えてみてほしい。ここに割って入ることができる企業はおそらくほとんどないだろう」

 Intelは巨大クラウドベンダーへの販売で優位に立ってさえいれば、それでいいのかもしれない。Brandon Butler氏が詳述しているように、同社は現在、AWS、Microsoft、Googleのほか、データセンター全般に大量の製品を販売している。

 しかし、そのドル箱製品は先細りのリスクを常に抱えており、特に現在は、Appleなど独自チップの設計と構築を行う企業が増え、Facebookなどの企業は自社データセンター全体をオープンソース化している。

 こうしたことから、GartnerのアナリストLydia Leong氏がIntelの懸念を指摘したツイートは的を射ている。「Intelは、ほとんどのサーバが一握りの大手クラウドプロバイダーに販売されるような世界を良いとは思っていない」というものだ。

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オープンソース(とIntelの財力)で取り戻す?

 もちろん、Intelの動機が自社の資金であるということのみが、大手クラウドベンダー数社による市場支配について懸念することが間違いであることを意味するわけではない。

 MirantisはIntelによる出資を発表したとき、この論理を取り上げた。

 Mirantisの幹部であるAlex Freedland氏によると、問題は以下の点だという。

AWSを1度でも使ったことのある人なら、いかに簡単で使いやすいかを知っているはずだ。Amazonとその競合各社は、スタックのあらゆるレイヤで技術革新を行い、規模の経済と自社のインフラストラクチャの均質性を生かすことで、価格破壊を続けている。IBMやHPといったレガシーベンダーの動きと比較すると、新鮮な息吹のように感じられる。これらのベンダーはコスト削減の阻害要因を抱えている。自社の非常に高い時価総額を正当化するためには、天文学的に高い利幅を1セントたりとも無駄にできない。

 昔ながらの寡占である。

 Freedland氏が重要だとしているのは、古い寡占が新しい寡占に変わることなど望まれていないということ、さらに「門番に追い返されることを心配せずに全世界が技術革新を統合する」手段としてOpenStackを差し出すことである。

 同氏の主張には一理あるが、Intelが懸念しているのはこの点ではない。Intelはチップ業界の覇権を取り戻すことを切に願っている。Intelはユーザーや企業の自由について常に懸念しているのではないと筆者は考えている。むしろIntelは常に、確実にクラウドから閉め出されないようにする手段について考えている。同社は2014年、モバイルチップ関連事業で42億ドルの赤字を計上した。少なくともクラウドでは、このような状況を繰り返すわけにはいかない。

 OpenStackへの大規模投資で、パブリックプラウドプロバイダーがIntel以外の企業からチップを購入するリスクを回避できるのかどうかは、まだわからない。それでも、Intelが主導権を握ったことは評価すべきだろう。

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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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