Citrixは競合するVMwareからの顧客引き抜きを狙い、大胆な乗り換えキャンペーンを開始した。このキャンペーンは期間限定で実施され、「VMware Horizon」の顧客が「Citrix Workspace Suite」に乗り換える場合に、ライセンス料金が最大で50%減額される。Citrix Workspace Suiteには、仮想化製品の「XenApp」と「XenDesktop」が含まれている。
Citrixは、VMwareからの移行時にダウンタイム、障害、生産性低下はいっさい発生しないと確約している。同社のテクニカルマーケティング担当ディレクターであるVishal Ganeriwala氏は、公式ブログで「XenDesktop環境を導入すれば、移行サービスの支援により、移行はほぼダウンタイムなしで15分以内に完了する」と述べている。また、同社はVMware製品に対するXenDesktopの優位性として、迅速なイメージ更新、効率的なHTML5アクセス、高速なファイルの印刷と保存、アプリケーションの起動などを前面に押し出している。
こうしたキャンペーンによる顧客の引き抜き合戦は、テクノロジ企業やテレコム企業の間で一般的に行われているが、Citrixが仕掛けた今回のキャンペーンのタイミングは注目に値する。VMwareは現在、サンフランシスコで大規模イベント「VMworld 2015 US」を開催中であるためだ。
VMwareは「One Cloud, Any Application, Any Device(1つのクラウド、あらゆるアプリケーション、あらゆるデバイス)」という戦略を掲げてきたが、これは同イベントの主要テーマとなっている。これはソフトウェア定義インフラストラクチャを通じて、あらゆるデバイス上であらゆるアプリケーションを常時実行可能にするという同社のビジョンを表したものである。
CitrixはVMwareが打ち出したこの戦略にも露骨な対決姿勢を示しており、「Why Only One?(なぜ1つ?)」「Any Application. Any Device. Any Cloud.(あらゆるアプリケーション、あらゆるデバイス、あらゆるクラウド)」というスローガンを掲げて、「#WhyOnlyOne」というハッシュタグのツイートを積極的に発信している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。