米ZDNet編集長Larryの独り言

HP、ヴイエムウェアと「VMware NSX」で提携

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-09-01 11:52

 Hewlett-Packard(HP)は米国時間8月31日、サンフランシスコで開催中の「VMworld 2015」で、VMwareとのサーバ分野における提携を拡大し、VMwareのネットワーク仮想化プラットフォーム「VMware NSX」を推進していくと発表した。

 両社の企業戦略を考えた場合、この発表は興味深いものがある。VMwareとその親会社であるEMCは合併を模索中だと伝えられている。その一方、HPはエンタープライズ事業を核とするHewlett-Packard Enterpriseと、PCおよびプリンティング事業で構成されるHP Inc.に分社化することになっている。また一部のアナリストらは、最終的にEMCとHewlett-Packard Enterpriseが1つの企業になる可能性を指摘している。

 VMware NSXを販売するというHPの動きは、ネットワーク分野で競合するCisco Systemsを意識したものだ。VMwareはCiscoとも提携関係にあり、HPと同様にネットワークの仮想化分野に進出している。HPはVMwareと協力し、VMware NSX向けの「HP Software-defined Compute Services」や「HP Network Virtualization Services」のほか、「HP Client Virtualization Services」や「HP Education Services for VMware」といった製品やサービスを提供する。

 Ciscoは「Cisco Application Centric Infrastructure(ACI)」という独自のソフトウェア定義ネットワークプラットフォームを保有しており、エンタープライズ市場で注目を集めている。

 HPはまた、VMwareのクラウドコンピューティングプラットフォーム「VMware vSphere」をサポートする、一連のオールフラッシュストレージシステムも発表している。

 VMwareにとって、VMware NSXの販売およびサポートに関するHPとの提携は大きな勝利と言える。VMware NSXは一部の顧客から注目されているものの、大企業はデータセンター向けの製品やサービス、アーキテクチャを含む包括的なポートフォリオを求める傾向がある。HPはVMware NSXにそうしたものをもたらす。

 さらにHPは、同社の「HP FlexFabric 5930」スイッチとVMware NSXとの相互運用を実現するうえで、VMwareと協力していくことも明らかにした。

 HPは、VMware NSXを主軸にした複数のサービスを2016年1月に開始すると述べている。なお同社は、VMworld 2015で以下の製品も発表している。

  • 「VMware Horizon 6.1」と「NVIDIA GRID」プラットフォームを活用してグラフィックの仮想化を実現するための仮想デスクトップインフラ(VDI)。「HP OneView」ソフトウェアを用いたVDIシステムにより、最高で3500ユーザーのサポートが可能となっている。
  • 「Converged Architecture 700」(CA700)。これは「HP BladeSystem」と「HP 3PAR Storage」、HP OneView、そして「VMware vSphere ESXi」を組み合わせたものだ。HPによると、VMwareの管理者はこの統合システムを利用することで、スタック全体を単一のものとして管理し、データセンターのクラスタを拡張するために配備できるようになるという。
  • HPはVMwareの迅速なローンチのための既定サービス、実装ツール/アーキテクチャ、仮想化の設計と実装および配備のためのコンサルティング、VMware NSXのサポートを用意する計画だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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