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トヨタ自動車九州、品質向上策でモバイルアプリを開発--セキュリティも担保

NO BUDGET

2015-09-04 16:25

 高級車「レクサス」の製造拠点として知られるトヨタ自動車九州は、セキュリティ確保と業務効率化の両立を目指してiPod touch向けに独自開発の業務アプリのセキュリティ部分に企業向けモビリティ管理システム(Enterprise Mobility Management:EMM)の機能を採用した。モバイルアイアン・ジャパンが9月1日に発表した。

 トヨタ自動車九州では、製造ラインに問題が起きると、それを記録、報告するため問題が起きた車両を撮影している。しかし、工場内には販売開始前の車両や開発中の試作車両などの重要な機密情報も少なくないことから画像の外部流出を防ぐため撮影するには事前に申請して、腕章を付けなければならない決まりがある。許可する権限のある上長が離席している場合などには、即座に問題車両を撮影できず、報告が遅れることもしばしばあったという。

 この課題に対し、同社はモバイル端末を利用して厳格なルールを守りつつ効率的に業務を進められる方法を検討し、適切な既存技術を見出せなかったことから、地元の福岡県でベンチャー企業のTRIARTと共同で「セキュアカメラ」を開発。同アプリはiPod touchと組み合わせて利用することで情報流出の防止と記録、報告業務の効率化を実現するもので、このセキュリティ部分にMobileIronのEMMが採用されているという。

 セキュアカメラを起動すると、EMMの機能で通常のカメラ機能などは使用禁止となる。具体的には、MobileIronのシングルアプリモードでほかのアプリは起動不可となる。セキュアカメラで撮影された画像は、確認後直ちにサーバへ送信され、端末内から削除される。画像には社員番号が紐付けられているため撮影者がすぐにわかり、管理者は誰がどこで撮影した画像かを理解した上で写真を確認できるようになっている。

 同アプリには業務アプリをコンテナ化して情報流出を抑制する「AppConnect」も活用されている。このアプリを利用するiPod touchには本体を外すとブザーが鳴る仕掛けが施されたピンク色のカバーが取り付けられ、カメラ利用者は蛍光ピンクのベストを着用することが義務付けられている。

 トヨタ自動車九州では、iPod touchとセキュアカメラ、ピンク色のカバーとベストを組み合わせた撮影で、事前申請を不要として、業務の効率化を図った。現在では約60台のiPod touchが装備され、工場内の設備を点検する保全係と、製造される自動車や部品を検査する品質係が利用している。

 iPod touchはWi-Fi環境が整っている場所でないと利用できず、工場全体にWi-Fiが敷設されていないため、まだすべてのラインで使える状態ではない。新車開発の部門などでは、一般車両製造よりも厳しいセキュリティが要求される。トヨタ自動車九州では今後、Wi-Fiの整備を進め、高いセキュリティ要件に対応できるようアプリを改善し、セキュアカメラが対応できるラインを広げていく計画という。

 トヨタ自動車九州とTRIARTでは、セキュアカメラアプリの社外販売も検討している。トヨタグループだけでなく、ほかの自動車メーカーや金融などまったく異なる分野の企業も関心を持っているという。

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