海外コメンタリー

「Windows 10」とインテル「Skylake」でPC市場は回復なるか--真に期待されることとは? - (page 2)

Nick Heath (TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-09-11 06:30

 消費者はWindowsの複雑さを我慢しようとしなくなっていることは議論の余地がなく、(技術的な問題はさておき)「Windows 7」と「Windows 8」のユーザーはWindows 10に無料でアップグレードできるという事実がある。

 GartnerのリサーチディレクターであるAnnette Zimmermann氏は、古いマシンを既にWindows 10にアップグレードしたユーザーの数を考えると、同OSはPCシステムの販売を促す大きな材料としては期待できないと述べている。

ハイブリッドは企業に受け入れられるか

 しかし、GartnerはハイブリッドPCの需要については楽観的で、2016年には、2-in-1デバイスの販売台数がPC販売台数を前年比4%増まで押し上げると主張している。

 Windows 10はPCやタブレットなどデバイスの違いに応じて最適なルックアンドフィールを提供する機能を備え、モバイル管理機能も向上しているため、長期的に見れば、ノートPCとタブレットの両方の要素を持つハイブリッドPCの需要は企業にも拡大するはずだとGartnerのZimmermann氏は語っている。

 「OSがようやくそこまで来たので、企業がこれらの新しい2-in-1ノートPCを受け入れていく可能性は高い」(同氏)

 一方OvumのEdwards氏は、IT部門の職員用ハイブリッドPCへの投資を促すことはそこまで強く確信しておらず、職員はデスクトップであれ、ノートPCであれ、タブレットであれ、スマートフォンであれ、自分の職務に最適なコンピュータを提供されることが最善だと考えている。

 「一定の水準の性能や機能を備えた特定の種類のツールを必要としているなら、不十分または過剰なものを十分に与えることにどんな意味があるのだろうか」(同氏)

 過剰な性能、または完全な機能を備えた端末を職員に与えるのは経費の無駄遣いだが、あまりにも非力なマシンを提供すれば彼らの業務能力を妨げることになる、と同氏は述べ、iPadを導入した営業チームが複数のアプリを並べて使えないことを理由に最終的にiPadを拒絶した事例を挙げた。

 エンドユーザーにとって、あらゆる機能を備えたハイスペックなデバイスよりも重要なのは、どのマシンを使っても同じファイルとアプリにアクセスできる機能だとEdwards氏は考える。

 「今の『Microsoft Office』では、iPadのアプリからPCのアプリに切り替えても、『Recent files』(最近使用したファイル)のリストは同じである。おそらく、大半のユーザーにとっては、そうした連続性の方が、最新のカメラや指紋リーダーが搭載されているかどうかということよりも重要なはずだ」(同氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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