人工知能やロボットの人間の置き換えで変わる情シス部門の役割
数十年のスパンでの未来社会の動きをとりあげてきたが、今後、人工知能やロボットなどの登場により、経済的なインパクトは大きい一方で、人類へのマイナス的な影響をもたらすことも想定され、雇用の置き換えが一部進む可能性も考えられる。
情報システム部門においては、システムの運用保守の自律運用が進み、現状での情報システムの構築運用保守などに人間が関わる必要性は減少する可能性がある。
日本においては、一部の金融機関において、主にコールセンターによる利用者の問い合わせに対応に、オペレーターに代わって、質問応答システム「Watson」の採用を始めている。
Watsonは問い合わせをしてきた利用者とオペレーターとの会話の読み取りから適切な回答を提示したり、オペレーターが利用者から受けた質問をキーボードで入力すると、いくつかの回答候補を提示するといったことができる。ウェブサイトのチャット機能では、利用者からのチャットによるテキストベースの質問にWatsonが回答をし、回答できないものだけ、コールセンターのオペレーターが対応するといった対応も可能だ。
情報システム部門は、これらのテクノロジを積極的に活用することで、新たな情報システム部門の役割を創造していくといったことが求められているのかもしれない。
- 林 雅之
- 国際大学GLOCOM客員研究員(NTTコミュニケーションズ勤務)。NTTコミュニケーションズで、事業計画、外資系企業や公共機関の営業、市場開 発などの業務を担当。政府のクラウドおよび情報通信政策関連案件の担当を経て、2011年6月よりクラウドサービスの開発企画、マーケティング、広報・宣伝に従事。一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) アドバイザー。著書多数。