トヨタ関係者は今回の発表のなかで「自分たちとGoogleなどとは目指すものが異なる」という点を強調していたらしい。
「Googleが、人間のドライバーに完全にとって代わる技術の開発にフォーカスしているのに対し、われわれは『(ドライブする)経験から得られる楽しみ』を維持しつつ、ドライバーの負担を軽減するためにAIを役立てる方法を探していく」といった一節がRe/code記事の中にはある。
Ise said that Google is focused on completely replacing the driver, while Toyota is looking at ways to take the load off the driver while maintaining the fun of the experience.
またNYTimes記事にも、「ロボットカーではなく、インテリジェントな自動車の開発に取り組む」という一節や、「Googleらのアプローチとトヨタのアプローチの間には重要な違いがある」という幹部の発言が引用されている。
The distinction is a significant one, according to Gill Pratt, a prominent American roboticist, who has left his position at the Defense Advanced Research Projects Agency of the Pentagon to direct the new effort.
「台数をさばいてナンボ」というビジネスモデルで回っている既存の自動車メーカーにとって、「あくまでも人間(のドライバー)にこだわる」というのはごく当然の考え方と思われる。ただ、「ドライブする楽しみ」というのは人それぞれ――自分でハンドルを握ることが好きな人にとっては自明のことかもしれないが、それに対して「移動中にもFacebookやInstagramをやっていたい」というような人間が現在では相当数存在していても不思議はないような気もする。
そうしてまた、このふたつのアプローチが共存可能なものか、それとも究極的には相容れないものなのか、という点も現時点では正直よくわからない……。このあたりは今後関連の話題をみていく上での注目点ということになろうか。