9月9日の日経平均は、1343円(7.7%)高の1万8770円だった。日本株の投資価値を無視した外国人の強引な売りが弱まったところで、この水準は売られ過ぎと判断して待機していた投資家が一斉に買い出動した感がある。
ただし、9日のCME日経平均先物は1万8215円で引けており、今日の日経平均は急落して始まる可能性がある。まだ日経平均は急落・急騰を繰り返しそうだが、長期投資の観点で、引き続き、日本株は良い買い場と考えられる。
ところで、日経平均の1日の変動率は、最近なぜ、ここまで大きくなったのだろうか。今回は、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏が、その背景を解説する。
先物が市場の波乱を増幅
日経平均株価(週足)および出来高:2015年1月4日~9月9日

9日の日経平均上昇幅1343円は、1994年1月31日(前日比1471円高の2万229円)以来の大きさだった。最近、日本株の短期ボラティリティ(変動性)の大きさが際立っている。
日経平均の短期変動を増幅しているのが、日経平均先物・オプションなどデリバティブ(派生商品)を使って、日本株の買いポジジョンを瞬時に増やしたり減らしたりするファンドの存在だ。世界的な「リスクオン」局面で短期的に買いポジションを急拡大する一方、「リスクオフ」局面では問答無用の強引な売りを出してくる。
世界の金融市場は、デリバティブの発達に伴って、短期変動率が拡大してきた。日経平均も、日経平均先物・オプションが作られ、その売買が拡大するにしたがって、短期ボラティリティが拡大している。
最近、日経平均先物を使って、日本株ポジションを瞬時に大きく変動させるグローバル・アセット・アロケーション・ファンドの残高が拡大していることも、日経平均のボラティリティを拡大させている。