SCSKは9月1日、北海道大学情報基盤センターの棟朝雅晴教授、北見工業大学情報処理センターの三浦克宜講師と「インタークラウドにおける多目的最適化手法を用いた、ITサービスの継続的最適配置」に関する産学共同研究を開始した。期間は2016年3月31日まで。
クラウドサービスは近年急速に普及しつつあり、大企業、中堅企業、中小企業のさまざまなビジネスシーンで活用されている。一方で、企業のIT部門が適切なサービスを選定、管理できなければ、クラウドによる“新たなサイロ化”が発生し、結果的に企業全体の運用負荷やコストの増大などのリスクを招く可能性がある。
クラウドサービスを利用する企業側のビジネスも日々変化しており、変化するビジネスニーズに追随し、サービスレベルやコスト、セキュリティポリシーなど多くの目的を同時に満たし、継続的に構成するクラウド最適化が求められている。

共同研究の概要(SCSK提供)
これらのクラウド利用環境の変化に対し、北海道大学 棟朝研究室では、「遺伝的アルゴリズムを活用したITシステムの多目的資源割当最適化」の研究、「インタークラウドにおける抽象的システム構成記述とブローキング方法の検討」に関する研究を北見工業大学とともに実施している。
今回の共同研究では、北海道大学と北見工業大学の学術的な研究と、ハイブリッドクラウド制御ソフト「PrimeCloud Controller」やクラウドサービスを開発、提供実績を持つSCSKの知見を組み合わせることで、クラウドの“継続的最適化サービス”の実用化を目指す。同研究の研究内容は以下の通り。
- クラウドシステムの構成に対する要求を評価基準ごとにモデル化(評価基準とは信頼性や機能性、経済性など「最適化する目的」を指す)
- 複数の評価基準を同時に最大化する構成を遺伝的アルゴリズムを利用して計算し、最適なシステム構成を探索する
SCSKは今後、研究の成果を受け、オープンソース版のPrimeCloud Controllerと最適化システムが連携するシステムを開発する。