クラウドナンバーワンへの鍵を握る「生粋の人材」--オラクルの首藤氏に聞く - (page 4)

Emi KAMINO

2015-09-12 07:00

 着々とキャリアを積み上げてきた首藤氏だが、キャリアを磨くために自身がモットーとしていることとして「今の実務を完全に背伸びしてやる。実務をこなす=修行と考えています」と語る。

 さらに、自身の性格を"負けず嫌い"と評する首藤氏がもう1つ意識していることは"協調性"。「新人時代、金融・通信を担当した際に、業界用語がわからず、人にも聞けずに悩んだことがありました。そのときは周りの人と徐々に関係性を構築して打ち解けることで改善していきました。以来、協調して何かを成し遂げることも意識し、1人でなんでもやらないようにも心掛けています。しかし何より最後まであきらめないという性格が、最終的にはなんとかなっている気がします」と打ち明ける。

 しかし、一方で自らを次のようにも評する。「意外と小心者でもあるので、準備は徹底して、入念に行うタイプです。お客様に揉まれたからでもありますが、プレゼンの資料などは汚いのは絶対に許しません。協調しながらも、こだわることはこだわる。そうしたことが結果にうまくつながっているように思います」

 6月から、オラクルのHCMクラウド事業を統括する立場で陣頭指揮を執る首藤氏。それまでとの役割の変化や、自らへの課題に対する認識について、次のように述べる。

 「2015年6月1日からの今期より、組織も含めて社内はますますクラウド事業を強化する体制になりました。会社がクラウドカンパニーへと変革しようとしている中で、オラクルのクラウドの価値をお客様に十分に理解してもらうためにはどのように伝えたらいいのか。また、最適な訴求方法は何か、短い時間で端的にオラクルの話をもっと聞きたいと思わせる方法がないかということに日々頭を悩ませています。さらに、その方法を見出したとしても、それを実行できる人材がどんな人材なのか、それに適した人材はいるのか、ということも常に考えなければなりません。営業、技術支援の勝ちパターンを確立していくために、暗黙知を形式知に変えることで、個人に依存せず、組織として機能する体制づくりに取り組まなければなりません。チームのメンバーに指示を出すだけでなく、まずは自分自身で実践・実行するよう努め、自らがベストプラクティスとなり、メンバーの参考となるようなリーダーになる必要があると考えています」

 グローバル競争の中で勝ち残りをかける日本企業に対して、組織づくりや人材活用という観点から支援するオラクルのHCMクラウド事業。その事業を率いる首藤氏のリーダーシップは、同社のクラウドの価値を証明するための強力な説得材料ともなり得るだろう。そうした意味からも、日本オラクルを"ナンバーワンクラウドカンパニー"に向けて前進させるキーマンの1人として、首藤氏への期待と注目は今後もますます高くなっていきそうだ。

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