「OS X El Capitan」
日本では10月1日に公開予定のEl Capitanは、OS Xでのエクスペリエンス改良に向けたこれまでの流れに沿ったものになっている。つまり、iOSの使い勝手を取り入れて、これまでのApple製OSの中で最も安定性が高くて使いやすく、高性能なバージョンを作るという流れだ。
- Split View:Split Viewの機能は弟分のiOSとほぼ同じで、2つのアプリを同時に開き、作業スペースいっぱいに横に並べて表示させることができる。
- 「メール」:Appleはメールの全画面サポートを強化し、受信ボックスのメッセージの管理性を高めるジェスチャーを追加した。提案機能も注目に値する。この機能を利用すれば、ユーザーはメールアプリでボタンをクリックするだけで、イベントと連絡先をそれぞれ「カレンダー」アプリと「連絡先」アプリに追加することができる。
- 「Safari」:この人気の高いブラウザは、セキュリティが強化されたほか、ソーシャルメディア機能や、「AirPlay」経由でウェブベースのコンテンツを共有できる機能も追加された。
- 中国語と日本語のフォントのサポート:AppleはすべてのOS Xリリースで、常に多言語サポートを提供してきた。しかし、新たに追加された中国語と日本語のフォントは、これらの言語のキーボード入力を改善し、画面上での表示の滑らかさと読みやすさも高める。入力サポートは、キーボード入力だけに制限されているわけではない。Trackpadを追加すれば、強化された機能を手書き入力時にも利用できる。
- パフォーマンス:OS X El CapitanもiOS 9と同様、新しくて目を見張るような機能やアプリと比べると安定性やパフォーマンスの強化は脇役だという点では、マイナーアップグレードだ。しかし、生産性やバッテリ持続時間の延長、グラフィックパフォーマンスの強化という形でのパフォーマンス向上は、いつでも歓迎だ。
「tvOS」
「Apple TV」は、ハードウェアとソフトウェアの両面で大きく変更された。ソフトウェア面では、ネイティブアプリ開発やユニバーサル検索機能、モーションセンサ搭載リモコンなどに関して、開発者にいくつかの新しい可能性が開かれるだろう。
- 「App Store」:Apple TVに独自OSのtvOSが搭載され、App Storeからアプリをネイティブで実行することが可能になる。現時点ではまだリリースされていないが(10月下旬に公開予定)、App Storeでは、動画共有やコラボレーションなど、Apple TVのさまざまなマルチメディア機能を活用できるソフトウェアが提供される見込みだ。
- ソフトウェア開発キット(SDK):iOSのものと同様のフレームワークを利用するApple TVのSDKは豊富な開発者サポートを提供し、Apple TVでのみ実行可能なアプリの開発に使用される。