フロントのIT活用は「やってみないと分からない」--ドリーム・アーツ山本社長

大西高弘 怒賀新也 (編集部) 2015年09月17日 11時50分

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 グローバル市場での株価の乱高下を引き起こした「チャイナショック」を引き合いに出すまでもなく、ビジネス環境の変化は予測不能であり、企業はそうした環境に適合していかなくては生き残っていけない。

 そこで各企業が長年取り組んでいるのが業務の効率化だ。国内に主たるビジネス基盤を持つ企業にとって、市場の縮小化による競争の激化、若年労働者の不足という不安要素に立ち向かうには、業務効率を競合企業よりも高めていくしかない。

 低コストで業務効率を高める手段として、ITは大いに活用されてきた。そしてクラウドが登場し、ユーザーの間で認知度を高めていくにつれ、クラウドサービスを使った業務改善の取り組みが各企業で進められるようになった。

ドリーム・アーツの山本孝昭社長。背景は、5月に提供を開始した企業向けSNS「知話輪(ちわわ)」の看板
ドリーム・アーツの山本孝昭社長。背景は、5月に提供を開始した企業向けSNS「知話輪(ちわわ)」の看板

 業務といっても企業には多くの部門があり部門ごとに改善が実施されている。特に営業や店舗運営といった顧客と接するフロント部分の改革は長年取り組まれているが、この分野の改革は何かのソリューションを導入しておしまい、ではなく、エンドレスで続くものととらえた方がいいだろう。

 「Shopらん」という多店舗オペレーションに特化したクラウドサービスを提供しているドリーム・アーツ社長、山本孝昭氏は、次のように話す。

 「われわれは長年、企業のフロント業務の効率化、革新のお手伝いをしてきました。『Shopらん』もその流れで開発されたクラウドソリューションです。クラウドは低価格でソリューションを導入できるというメリットがありますが、それだけてはありません」

 山本氏は、低コストで導入できるというメリットよりも、クラウドには業務のベストプラクティスを簡単に共有できるというメリットが大きいという。

 「『Shopらん』では機能訴求よりもベストプラクティスに基づいた業務単位のボタンを用意し、使いやすいだけでなく自然に成果が出やすいように設計されています。海外にも店舗、拠点を持つ大手企業が『Shopらん』を活用しており、そうした企業のベストプラクティスをどの企業でも利用できるのです」

 「Shopらん」はKDDI、銀座コージーコーナーなどが導入しており、こうした大手企業のノウハウを取り込んだ共通モジュールで運用されている。つまり高い実績を持つ企業のベストプラクティスに合わせてモジュールは進化し続けていて、どの企業も多店舗運営に最適なシステムで業務を進行させることができるのだ。

「ソフトウェアパッケージベンダーをやめる」

 高い実績を持つ優良企業が活用することで、そうしたユーザーのシステム改善要求に応えながらシステム全体を進化させ、幅広いユーザーの利便性も高めていく。こうした手法はSalseforce.comが使ってきたものだ。クラウドという言葉がまだ「バズワード」であると半ば疑いの目で見られていたころから、同社はサービスを展開し、大きな発展を遂げてきた。

 山本氏はクラウドというワードをどう見ていたのだろう。

 「まず、世界人口の爆発的増加から考えても『所有から利用へ』という流れは止まらないと思いました。個々人があらゆるモノを所有して利便性を享受するのではなく、共有しながら資源を有効利用するわけです。その流れから言えば、ITの世界も同様のはず。だから、クラウドはバズワードではなく新しいトレンドだと判断したのです」

 そこで山本氏は、2011年に「ソフトウェアパッケージベンダーをやめる」と宣言した。そもそもドリーム・アーツは導入先企業と密接な関係を構築し、業務改善をユーザーと二人三脚でとことん追求するという姿勢を取ってきた。

 開発したパッケージをシステムインテグレーターに販売してもらい、技術サポートで協力するというありがちなパッケージベンダーの姿勢とは最初から一線を画してきた。三菱東京UFJ銀行、JAL、ダイキン、コクヨといった大手ユーザー企業を「パートナー」として紹介するのは、こうした背景があるからだ。

 「当社は、『Shopらん』などのほかに、データベース、グループウェア、SFAといったフロント業務を支えるサービスを提供しています。細かい業務支援ノウハウだけでなく、数万人規模の社員が同時に利用しても安定稼働させる技術力を磨いてきました。今後は、優秀な人材をさらに集めてキャパシテイを確保し、財務面などでも企業としての基盤をさらに強固にする取り組みを始めています」

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