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フロントのIT活用は「やってみないと分からない」--ドリーム・アーツ山本社長 - (page 2)

大西高弘 怒賀新也 (編集部)

2015-09-17 11:50

IT部門ではなく業務部門のニーズを聞きにいく

 2010年前後に、クラウド化の流れが今後メインストリームとなると判断した山本氏は、IT部門ではなく各企業の業務部門に直接ニーズを聞き取りにいくことを社内スタッフに命じた。

 「IT部門はこれからバックヤードのシステムの運用と保守に専念するようになると考えました。クラウド利用は各業務部門から真っ先に切望するようになることははっきりしていました。バックヤードシステムはIT部門がハード、ソフトを一括で購入して実装、そして5年先のサポート切れまで運用、保守作業を続けて、時期が来れば、新しいものに切り替えていく。一方フロント部分のシステムは、ユーザーである業務部門が使いたいものを部門予算で用意するはずと考えたのです」

 こうした状況は最近になってようやく顕在化してきたが、山本氏はクラウドそのものがバズワードではないかと疑われていた時点で、率先して動きはじめた。2010年前後の時点ではスマートデバイスの利用者が増加しはじめ、業務利用も始まるだろうと考えられていた。

 スマートデバイスの業務利用で主役となるのは、企業内でフロント業務を担当するエンドユーザーだ。そうした意味でも、ベンダーにとって「押さえておくべき対象」が大きく変化し始めた時期といってもいいのだろう。

ユーザーと粘り強くベストプラクティスを探す企業の強み

 クラウドサービスに求められるのは機能ではなくベストプラクティス、という発想は、こうした業務部門との密接な関係の中から生まれてきた。

 「たとえノーベル賞級の機能でも、それはすぐに模倣され、キャッチアップされてしまう。すごい機能だとユーザーに説明しても、自分たちの業務にどう役に立つか、他の企業ではその機能をどう使っているのかが分からなければ意味がない」と山本氏は話す。

 問題は機能ではなく、複数の機能をどのように使えば現実的な成果が上げられるのかということ。その使い方にはさまざまなノウハウの積み重ねがあることを理解する必要がある。ベストプラクティスには、上質で実効性のあるノウハウが集積されており、役立つソリューションならいますぐにでも使いたいという業務部門が本当に知りたいのは、こうしたノウハウであり具体的な利用手法なのだ。

 さらに山本氏は、フロント業務のIT活用は、「やってみなくては分からない」という特徴があると話す。

 「確実に成果が出ると判断できるまで試さないでいると、タイミングを逸してしまう。フロント業務のIT活用では、小規模で導入し試行錯誤を繰り返し、だめならすぐに他のものに変更するぐらいでないと前に進んでいかない。クラウドサービスの場合、こうした取り組みがしやすいので、ユーザーと粘り強く、密接に向き合いベストプラクティスを探していくというわれわれのような企業には大きなチャンスだと思います」(山本氏)

 また山本氏は、フロント業務の改革は、緻密な事前計画を立て検証を重ねた上で、一気に全システムに展開する「ウォーターフォール型」の開発手法よりも、複数の小規模な開発を施しながら進める「アジャイル型」の開発手法の方が、実効性が高いと話す。

 複数の人たちが利用するフロント業務システムは、少々実効性が確認できない面があっても、できるだけ早く導入して使いながら考えていく方が成果も出やすい。成果が出てくれば、ユーザーから使い勝手に対する不平不満ではなく、前向きな意見が多数寄せられ、ノウハウの蓄積が競合企業よりも進んでいく。たとえ使えないツール、システムとして判断されても、素早く方向転換し何が問題なのかを明確にして社員間で共有することもできる。

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