ハイブリッドクラウド座談会--企業ITの行き先を徹底討論する - (page 3)

怒賀新也 (編集部) 山田竜司 (編集部) 吉澤亨史

2015-09-17 08:23

クラウド利用の実際

NTT Com 林氏 メーカーがグローバル展開したいと考えた場合、IT担当者をつけた上でクラウドに拠点を構えるようにすると、世界をまたに掛けてガバナンスを効かせやすくなります。運用もしやすくなるため、そこを利点として説明することが多いです。

オラクル 佐藤氏 オラクルでも、「新サービスにトライしてダメならすぐに改善していく」というような、常にサービスを変化させていく使い方にはクラウドが適しているという話をしています。簡単に言えば、2カ月使ってダメなら捨ててしまえるわけです。これはオンプレミスでは難しい一方で、そうした用途に向いた使いやすいパブリッククラウドがここ数年で出そろってきたのです。

マイクロソフト 各務氏 マイクロソフトが扱うケースで多いのは、モバイルとクラウドの組み合わせです。例えば銀行の海外拠点のシステムをなるべく低コストで構築したいといった場合に適しています。それから、IT統合という流れも強いです。特にマイクロソフトでは、クラウドとモバイル、さらにサイバーセキュリティも一緒に提案してほしいというニーズがかなりあります。

ヴイエムウェア「ビジネス目標達成の鍵はアプリケーション」


ヴイエムウェア ハイブリッドクラウド本部本部長 巨勢泰宏氏
2008年入社し、同社エンジニアリング部門を統括後、2014年よりVMware vCloud Airの事業戦略の立案から市場展開までを牽引。仮想化の既存の顧客を中心に透過的なハイブリッドクラウドの導入の支援を推進する

ヴイエムウェア 巨勢氏 ヴイエムウェアのクラウドへの取り組みのスローガンは、仮想化製品やサービスを提供しながら、行き着く先はハイブリッドクラウドということです。ユーザー企業の現場でも、実際に仮想化がキーワードになっています。サーバだけでなくネットワークも含めて、抽象化技術をベースにしたインフラの仮想化に、企業が非常に多くの資金を投じているのです。企業の目的はあくまでも、ビジネス視点でITを構築するようにシフトすることです。それが仮想化の最大の役割であり、われわれが最も注力する点です。

 今までのニーズは、どちらかというとインフラ寄りのものが強かったのですが、ビジネスの目的を実現するのはやはりアプリケーションです。より多くのIT構成、アプリケーションにかける基盤を作るのがわれわれのミッションです。実現するために、NTT Comとも、パブリッククラウド領域でパートナーシップを組んでいます。一ベンダーとしてだけではなく、いろいろなアライアンスプログラムを介して、ユーザー企業がアプリケーションにもっと注力できるようにしていきます。

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