Microsoftが追加を約束している新機能には、次のようなものが含まれる。
- Word、Excel、Outlook、DelveのようなOffice 365アプリケーションとの連携の強化
- 「SharePoint」「OneDrive for Business」、Office 365のグループ機能などによるクラウドベースの文書共有(モバイルアプリも含む)
- 「Cortana」との次世代型の連携
筆者はCortanaの実用性には懐疑的だが、それ以外の機能については期待できそうだ。Dynamics CRM 2016環境のどこからでも、必要に応じてアプリケーションにアクセスできるというアイデアは、理にかなっていると考えている。
競争
営業担当ではないわれわれの多くにとっては、顧客エンゲージメントツールが実際にどのように使われるのかは、相変わらずよく分からない話だが、そのツールが企業にとって重要であることは疑う余地がない。それでも、顧客エンゲージメントや顧客管理のためのソフトウェアは、市場での競争が激しい分野である。
SalesforceやOracle、SAPなど多くの企業が、顧客エンゲージメントのために同様のソリューションを提供している。そのため、Microsoft Dynamics CRM 2016は優れたソフトウェアスイートであるかもしれないが、それはこの市場で最も優れたソフトウェアになるということではない。
Dynamics CRMが企業の営業分野を席巻することを妨げかねない別の要素が、習慣である。営業チームが顧客エンゲージメントや顧客管理のための手法をいったん確立してしまうと、そのチームを別のシステムに乗り換えさせるのは非常に難しい。新しいシステムを導入すれば、それを習得するまでに時間を要するため、そのシステムがMicrosoft Dynamics CRM 2016であろうとなかろうと、売り上げが犠牲になる可能性がある。そして売り上げの損失は導入の成功を阻むハードルであり、それを容易に乗り越えることはできない。
結論
競合製品を使用していて、自分たちのやり方を確立している営業チームが、Microsoft Dynamics CRM 2016に自発的に乗り換えるということが起こる可能性は低い。そのため筆者は、どのような新機能が提供されるとしても、2015年末の時点でDynamics CRM 2016が大規模導入されるとは思わない。
しかし、Microsoft Dynamics CRM 2016は、顧客エンゲージメントの管理のための極めて優れた生産性スイートであるようだ。したがって、営業チームが現在Dynamics CRMを使用しているのであれば、この次期バージョンで提供される新機能をすぐに気に入る可能性が高く、そうした機能がもたらすあらゆる恩恵を享受できるだろう。そうしたチームには、今からアップグレードの計画を立てて、年内に予定されているMicrosoft Dynamics CRM 2016のリリースを活用する準備を整えておくことをお勧めする。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。