Salesforceはサンフランシスコで開催中の年次イベント「Dreamforce 2015」で、「IoT Cloud」を発表した。同社の「Thunder」技術ベースとするものだが、そのストリーミングデータ機能は2016年のDreamforceまで待つ必要がありそうだ。
Thunderは、センサ、モバイル端末、ウェアラブルなどのデータソースからのデータをキャプチャする技術だ。IoTシナリオでは、キャプチャしたデータは数秒、または数ミリ秒で処理される必要がある。 低遅延のデータバスとルールエンジンの2つの役割を持つ。Thunderは、データキャプチャとメッセージングの「Kafka」、ストリーミングデータのディストリビューションの「Storm」、インメモリデータ処理の「Spark」、高スケールのデータベース「Cassandra」などのオープンソース技術を利用して開発されている。
Salesforceがこのアーキテクチャに何をもたらすのか、そしてどのクラウドプラットフォームを土台とするのかは、明確ではない。ForceプラットフォームとHerokuはともに「Salesforce App Cloud」であり、Herokuは現在でもAmazon Web Services上で動いている。3つめのオプションとなるのが「Azure」だ。そして、Microsoftは開発パートナーとなることが発表されている。
ThunderはSalesforceの「Lightning」に続くものといえる。Lightningは2014年のDreamforceの目玉で、Lightningは発表から1年してようやく手に入る段階となった。今週Salesforceが発表したプレスリリースによると、Thunderは「2016年前半」にパイロット運用をスタートし、同年後半に一般提供を目指すという。つまり、Salesforceのマーケティング主導型の事前発表/再発表アプローチがここでも用いられていると言えるだろう。
結論としては、Thunderは現時点で利用できる機能としてではなく、ロードマップの位置づけとして発表されたものとなる。解決すべき深刻な問題が残っており、Constelallationの見解としては、顧客の多くがSalesforceのIoT Cloudを利用してIoTの夢を実現できるようになるには10カ月から1年ほどかかりそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。