Microsoftは米国時間9月17日、同社ブログへの投稿で、データセンタースイッチなどのネットワーク機器向けとして開発した、LinuxベースのクロスプラットフォームOS「Azure Cloud Switch」(ACS)の概要を発表した。なお同社は、8月にロンドンで開催された「SIGCOMM」カンファレンスにおいてACSのデモを実施し、データセンタースイッチなどのネットワーク機器内で使用される特定用途向け集積回路(ASIC)を標準化された手法で取り扱えるようにするための取り組みの成果を発表している。
これは、そう遠くない未来にMicrosoftのLinuxディストリビューションが登場するということを意味しているわけではない。
ACSはOpen Compute Project(OCP)の「Switch Abstraction Interface」(SAI)を念頭に置いて設計されている。SAIは、ASICをプログラミングするためのC言語向けAPIだ。つまりこれは、スイッチのようなネットワーク機器を動作させるためのソフトウェアなのだ。OCPは7月に、MicrosoftやMellanox Technologies、Dell、Broadcom、Cavium、Barefoot Networks、Metaswitchが策定に寄与したSAI規格を採用している。
Microsoftの広報担当者に問い合わせたところ、ACSは内部での使用に限られていると確認できた。ACSは、スイッチのハードウェアとソフトウェアの分離に向けた同社のアプローチにおける成果物というわけだ。なお同社は、ACSのコードをOCPに寄贈している。
Microsoftは2014年からOCPに参加している創設メンバー企業であり、同組織のSAIプロジェクトに貢献してきている。OCPは、データセンターを比較的低コストで構築するために使用できるオープンなハードウェア設計を公開するという目的の下、2011年にFacebookによって創設された組織だ。
MicrosoftはOCPに参加した際、自社のクラウドサーバ仕様(24台の1Uサーバを収納できる12Uの共有型サーバ筐体)をプロジェクトに寄贈するとともに、オープンソースライセンスであるApache Licenseの下で「Chassis Manager」を公開すると述べていた。
OCPは既に、マザーボードとチップセット、ケーブル配線や共通のソケット、コネクタ、オープンネットワーキングとスイッチの規格を公開している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。