「費用が足りない」という課題の背後には「業務シナリオが描けない」という真の課題がある
スマートデバイス関連のソリューションを訴求する上で欠かせないもう一つの観点が「ユーザー企業の抱える課題を把握し、それらを解決する」という取り組みだ。
下のグラフは、スマートデバイスに関連する選択肢のうち6つの主な選択肢について、年商5~50億円(中小企業層)におけるデータをプロットしたもの。この結果を見ると、「端末の機能/性能」や「社内ネットワークとの接続」はそれほど深刻な問題ではなく「端末の調達/運用」と「業務システム開発」の費用が大きな負担となっていることがわかる。
スマートデバイス端末の活用における課題(いくつでも)(ノークリサーチ提供)
だが、こうした課題の対策としてその対策として単に価格を下げたソリューションを提供すれば良いというわけではない点に注意が必要だ。その理由は「効果的なスマートデバイス活用の業務シナリオが描けない」という選択肢の回答割合も同程度であることに起因する。
業務シナリオについての悩みは、ユーザー企業がスマートデバイスによってどのような効果が得られるのか、また売上改善にどのように結びつくのかを具体的に描き出せず、「スマートデバイス活用における投資対効果の判断ができていない」ことを示している。
投資対効果が判断できなければ予算を組むこともできないから、「費用が足りない」という状況に陥ることになるわけだ。そのため「スマートデバイス活用における投資対効果の判断ができていない」という根本的な課題を解決しなければ、ソリューションの価格を下げても導入には繋がらない可能性がある。このように「ある課題が別の課題の間接的な要因になっている」というケースもあるので注意が必要だ。