富士通は9月29日、企業のデジタル革新を実現するため、クラウドやモバイル、アナリティクスなどの最先端技術を実装したデジタルビジネスプラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」を発表した。第1弾として、クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」をはじめとした製品やサービスの販売を同日から開始した。
MetaArcは、クラウドやモバイル、アナリティクス、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)などの技術と、同社SEの知見やノウハウを融合したデジタルビジネスプラットフォーム。企業のビジネスプロセス革新や新ビジネス創造などのデジタル革新を実現するシステム(System of Engagement:SoE)と基幹システムなど従来の情報システム(System of Record:SoR)を同一のプラットフォーム上で実現するというもの。
企業がビジネスの変化や成長に柔軟に対応するために必要な人やモノがつながり、新たなイノベーションを創出するシステム(SoE)や企業内のデータを記録し業務を処理するシステム(SoR)の構築、運用と、それらをシームレスに連携する商品群をワンストップで提供すると位置付けを説明している。
富士通では現在、社内実践を通じてMetaArcの継続的な機能改善や品質向上に取り組んでおり、2015年2月から社内システムをK5に移行作業を進めているほか、SE、パッケージ開発、ソフトウェア開発、研究所などの現場部門での活用も進めている。
こうした経験とノウハウを活かし、5月に発表したインテグレーションコンセプト「FUJITSU Knowledge Integration」とMetaArcで、企業や業界の枠を超え、人や情報、インフラをつなぐことを支援し、企業の新たな価値創造と企業競争力強化に貢献していくとしている。
このMetaArcを富士通のグローバルなプラットフォームとして位置付け、日本を皮切りに欧州、米国、アジア、オセアニアに順次展開していく。
MetaArc(富士通提供)
今回提供開始となる製品やサービスの概要は以下の通り(価格は税別)。
クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」(新規提供)
オープン技術とSEの知見やノウハウを融合した新たなクラウドサービス。柔軟性を向上させるシステム自動構築機能をはじめ、SoEとSoRの連携を容易に実現するアプリケーション基盤機能、業種業務特有の部品サービスやテンプレートなどのPaaSも備える。データセンター内で物理的に独立した環境を提供するマルチアベイラビリティゾーンやセキュリティグループ機能などにより、多様なシステムに適用可能なIaaSを提供する。提供形態は以下の4種類。
- Public Cloud(仮想共有):1時間あたり10.37円から、12月1日から提供
- Virtual Private Hosted(仮想/物理専有):個別見積もり、12月1日から提供
- Dedicated(専有):個別見積もり、2016年度第1四半期提供開始
- Dedicated on-premise(専有、顧客データセンター設置):個別見積もり、2016年度第1四半期提供開始
K5とPRIMEFLEX for Cloudのイメージ(富士通提供)