松岡功の「今週の明言」

クリックテックがOEM販売に注力する理由

松岡功

2015-10-02 12:35

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、クリックテック・ジャパンのJay Powell 代表取締役社長と、日本ヒューレット・パッカードの山口太 執行役員の発言を紹介する。

「独自の“連想分析”BI技術をOEMでどんどん世の中に広めていきたい」
(クリックテック・ジャパン Jay Powell 代表取締役社長)


クリックテック・ジャパンのJay Powell 代表取締役社長

 「連想分析」というユニークな技術を用いたビジネスインテリジェンス(BI)ソフトを提供する米QlikTechの日本法人であるクリックテック・ジャパンが9月30日、アシストとの提携強化を発表した。Powell氏の冒頭の発言は、この発表をめぐって筆者の単独取材に応じた際、製品販売とともにOEMでも同社の技術を積極的に普及させていく考えを示したものである。

 アシストとの提携強化内容は、アシストが10月1日に提供開始した企業システムの運用状況を分析するクラウドサービス「千里眼SaaS」の分析エンジンに、クリックテックのデータ可視化ソフト「Qlik Sense」をOEMの形で採用したというものだ。

 アシストはこれまでも同様の用途に向けて、日立製作所の統合運用管理ソフト「JP1」を対象に、クリックテックのBIソフト「QlikView」を組み込んだパッケージソフト「千里眼 イベント管理 for JP1」を提供してきた。今回の新サービスは、分析エンジンをQlikViewからQlik Senseへ、また提供形態をパッケージからクラウドサービスへ移行させた形だ。

 Powell氏は今回のようなQlik SenseのOEM販売について、次のように語った。

 「Qlik SenseはBIソフトとして、従来のダッシュボードによる定型データの確認だけでなく、ユーザーが自ら試行錯誤できるようなセルフサービス型のデータ探索や、ユーザー同士で洞察を共有するコラボレーション型のデータ活用など、現場のデータ分析ニーズに対応したのが特長だ。当社としてはQlikViewとともに今後も積極的に製品販売を行う一方、システムインテグレーターやソフトベンダーなどのパートナーの要望に応じてOEM販売にも注力していきたい」

 同社の主力製品であるQlikViewおよびQlik Senseが注目を集めているのは、連想分析という独自技術を採用したBIソフトだからだ。連想分析の内容については関連記事を参照いただくとして、そのユニークさが評価された結果、現在グローバルで3万6000社の導入実績があるという。

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