また、同社の製品を扱うパートナーもグローバルでおよそ1700社を数え、OEMパートナーも着実に増えつつあるとしている。ちなみに日本でのOEM販売はQlikViewをベースに2010年夏から開始し、現在、富士通や東芝、アシスト、オーリック・システムズなど16社のOEMパートナーが自社の製品やソリューションに組み込んでいるという。
BIを含めたビッグデータ分析の市場は、IT分野でも最も激戦区となってきている。そうした中で同社は、「製品およびOEMの両面で、私たちの独自技術を世の中に広めていきたい」(Powell氏)考えだ。果たして激戦市場を勝ち抜いていくことができるか、注目しておきたい。
「フラッシュストレージはまさに今が旬を迎えている」 (日本ヒューレット・パッカード 山口太 執行役員)
日本ヒューレット・パッカードの山口太 執行役員
日本ヒューレット・パッカードが先ごろ、ストレージ製品群「HP 3PAR StoreServ」におけるミッドレンジ向けのフラッシュストレージ「HP 3PAR StoreServ 8000シリーズ」を国内で提供開始すると発表した。同社執行役員でエンタープライズグループ事業統括HPストレージ事業統括本部長を務める山口氏の冒頭の発言は、その発表会見で、フラッシュストレージが“旬”を迎えていることを強調したものである。
HP 3PAR StoreServ 8000シリーズは、コントローラを4ノードまで拡張できるスケールアウトストレージである。オールフラッシュ構成と、HDDとフラッシュを併用するコンバージドフラッシュ構成をサポートし、データサービスやスケーラビリティを犠牲にすることなく、1ラックあたり5.5ペタバイト(論理容量)までのフラッシュ容量を利用できるとしている。
HP 3PAR StoreServ 8000シリーズのさらに詳しい内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは山口氏が会見で語った、企業利用においてフラッシュストレージに求められる3つの要件について取り上げておこう。
まず1つ目は「スピードとQoS」。フラッシュだけにスピードが速いのは当然だが、その速さに差がつくポイントはソフトウェア技術にあり、しかもその技術レベルがQoSにも大きく影響してくると山口氏は指摘した。
2つ目は「基幹で使える堅牢性」。ミッションクリティカルに対応した可用性や、ミッドレンジクラスでもペタバイトレベルの大規模環境を構築できるかがポイントになるという。
そして3つ目は「期待を上回るROI」。かつてフラッシュストレージは、機能や性能が高いものの、価格も高いのがネックだった。その意味で、今回の新製品はHDDとほぼ同等価格を実現したという。これによって、まさに期待を上回るROI(投資効果)を実現できるとしている。
会見での説明によると、HPがフラッシュストレージに参入したのは2013年と、競合他社より遅かった。その理由は上記の3つの要件を勘案してタイミングを計っていたからだという。それが適切だったことを証明するように、同社のフラッシュストレージは急成長を遂げ、今では市場シェアで2位になったとしている。
ただ、この市場はビッグデータ活用が本格化するこれからが大激戦となる。分社化やリストラといった“お家事情”もある中で、HPがさらなる躍進を遂げることができるかどうか、注目されるところである。