現代の知識を用いて働く労働者の効率についてひも解くには、まったく異なる尺度を用いた、まったく異なる科学が必要となる。
例えば、ブレーンストーミングのような創造的なプロセスの成果はどのように測るべきだろうか。新しいアイデアを生み出そうとする作業に、時間制限を課すことがふさわしくないのは明らかだ。現代の企業では、効率性を求めるのは、成果を計測する必要のあるシステマチックなプロセスに限定すべきだ。
VoloMetrixは、現代的な労働の観点からピープルアナリティクスにアプローチしているようであり、産業科学の醜い部分が再び現れることを心配する必要はないのかもしれない。そうであることを祈ろう。
常識
とは言うものの、効率的な労働者は生産性が高い労働者であるということについては誰も異論がないだろうし、成功している企業には生産性の高い労働者がいる可能性が高いだろう。しかし、効率的な労働者が、必ずしも幸福な労働者であるとは限らないし、従業員が幸福でなければ、生産性が高い状態を長く維持することはできないだろう。
時間管理やベストプラクティス、システムプロセスなどに関する従業員の効率を計測するツールはまったく問題ないが、これらのツールが、企業の従業員をロボットのように扱うことはできない。その性質上、新たなアイデアやイノベーションを生み出す作業は効率的なプロセスではないが、適切なツールさえあれば、計測可能なプロセスであるかもしれない。
これこそが、MicrosoftがVoloMetrixのテクノロジと専門性を獲得することによって解決しようとしている課題だ。Office 365の特徴は、企業内のあらゆる場所で使われているということであり、ピープルアナリティクスに必要なデータを収集するには絶好の位置にある。Office 365のアナリティクスツールに、より洗練された技術を追加することは、戦略として筋が通っている。だが、これが実際に役に立つものになるかどうかが分かるまでには、もうしばらく待つ必要があるだろう。
提供:Mixabest via Wikimedia.org
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。