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Windows 10:企業PC無償アップグレードの注意点 - (page 2)

胡口敬郎

2015-10-05 07:00

企業の PC にも Windows 10 に無償アップグレードをフル活用

 今回のWindows 10のリリースおいて大きな話題となったトピックに、リリース日である2015年7月29日から1年間、Windows 7以降がインストールされている既存PCは無償でWindows 10にアップグレードができる権利が提供された件がある。この無償アップグレードは一般のコンシューマ向けのものと思われることが多いが、実は企業に展開されているPCもその無償アップグレードの対象となっているのだ。ここでは、実際に企業のPCをWindows 10にアップグレードする際に押さえておきたいポイントを紹介する。

【無償アップグレードの対象】

 無償アップグレードの対象となるのは、既存のWindows 7、Windows 8.1がインストールされているPCだ。既存PCへのOSの提供形態には、購入したPCにプリインストールされている「OEM版」、自作PCなどハードウェアにバンドルされて提供される「DSP版」、店頭でパッケージ販売されて提供されている「FPP版」、ボリュームライセンス契約により提供されている「VL版」が存在するが、無償アップグレードはこれらの提供形態によらず全てが対象となっている。またOSのエディションも、Homeエディション(Windows 8以降では無印)、Professionalエディション、Ultimateエディション(Windows 7のみ)が対象となる。


 ここで注意が必要になるのはEnterpriseエディションの存在だ。Enterpriseエディションはボリュームライセンスでのみ提供される上位エディションで、利用にはアップグレードライセンスが必要だ。今回の無償アップグレードはEnterpriseエディションが対象外となっている点に注意したい。

【無償アップグレードの方法】

 Windows 10への無償アップグレードには2つの方法が提供されている。一つは「Windows 10を入手する」アプリを用いる方法だ。これはWindows Updateから提供される更新プログラムとして既存のPCに展開され、Windows 10へのアップグレードをユーザーに通知する。この通知に対しユーザーはアップグレードの予約が可能となる。予約後しばらくするとWindows 10へのアップグレードが開始される。

 この「Windows 10を入手する」アプリは、ドメインに参加していないワークグループかつ直接Windows Updateを参照して更新プログラムを入手しているPCにのみ展開されてくる。企業のPCの多くはドメインに参加していたり、Windows Software Update Service (WSUS)で適用する更新プログラムが管理されており、このような環境下のPCには「Windows 10を入手する」アプリは展開されない。

 ドメインやWSUSで管理されているPCには、もう1つの方法であるWindows 10のアップグレード用メディア作成するためのツールをマイクロソフトのウェブサイトから入手し、ツールで作成されたアップグレードメディアでWindows 10へ移行する方法で実施する必要がある。

 ツールはこのサイトから入手することが可能だ。

 このツールで作成したDVDやUSBメモリを既存のOSから参照し、セットアッププログラムを起動すればアップグレードが開始される。

【無償アップグレードの注意ポイント】

 今回の無償アップグレードでは、必須となる前提条件が2つ存在する。1つは「アップグレード対象のPCが正規のライセンスでアクティベーション済みであること」。もう1つは「インターネットに接続されていること」だ。

 「Windows 10を入手する」アプリやツールで作成したメディアでのアップグレード中、オンラインでWindows 10のキーが既存のPCに対し発行され、そのキーでWindows 10のライセンスがアクティベーションされるまでが自動的に行われるようになっている。これは、アップグレードを行う際にはPCはインターネットに接続されていなければならないことを意味している。よって、インターネットに接続されていない(もしくは接続できない)PCは、残念ながら無償アップグレードの対象にはならない。

 ライセンスが正常にアクティベーションされていないPCや、ネットワークに接続されていないPCで前述したツールで作成したメディアからのアップグレードを試みた場合、途中でWindows 10のプロダクトキーの入力を求められることとなり、アップグレードの処理が進まないこととなってしまう点に注意が必要だ。また、このオンラインによるキーの発行は、ハードウェアの構成情報と紐づけられた形で実行されている。この仕組みにより、無償期間中にアップグレードを行ったPCであれば、無償期間の終了後に再度Windows 10をセットアップしたいとなってもハードウェアの構成を大きく変えない限り再度キーの取得とアクティベーションが行われるので安心してほしい。

最後に

 この連載では、引き続き企業利用で活用してほしいWindows 10の新機能を取り上げ、その機能を実際に展開、管理する方法や、使いどころなどをお伝えしていく予定だ。次回はその下準備としてWindows 10を企業に導入するにあたりActive DirectoryやWSUS、ボリュームライセンスのアクティベーションサービスなど既存の管理インフラ側で準備しておく必要がある項目について紹介したいと思う。

胡口敬郎
日本マイクロソフト株式会社 クラウド&ソリューションビジネス統括本部にて 法人向けWindows 製品担当のプリセールスエンジニアとして活動中。 Windows Vista から 4世代にわたり、Windows OS の製品訴求に携わる。

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