#3:ストレージに対する安易な投資を行う
管理すべきデータの量が指数関数的に増えていくとともに、低価格なストレージの購入も増えていく。低価格なストレージの登場により、IT部門や業務部門はストレージを、必要に応じて買い足していけばよいコモディティだと考えるようになってきている。
しかしこの考え方は、データやストレージの在り方そのものを変質させるという負の側面を有している。IT部門は、高速なやり取りが可能なSSDと、ミッドレンジのハードディスク、低価格で低速であるが信頼性に優れたアーカイブストレージをどのように使い分けるのかについて、決めておかなければならないのだ。
適切なストレージアーキテクチャを用意していなければ、ティアードストレージ技術やストレージの自動化に向けた投資といった、より効率的なストレージの管理方法についての議論は難しいはずだ。
#4:ハードウェアやソフトウェアのアップグレードや置き換えを先送りにする
多くの企業は時代遅れのハードウェアやソフトウェアがあると知りながらも、それらの廃棄日付を明確に決めていないが故に、耐用年数を超えて使用し続けている。これによって、従業員は資産が正常に動作しなくなるまで使い続ける結果、企業にリスクがもたらされることになる。
そうではなく、資産管理システムを導入し、寿命に近づいてきたものを洗い出せるようにするのがよいだろう。予算編成会議の場で提出する資産報告書に、問題が発生しそうなハードウェアとソフトウェアというリスク管理の観点を盛り込んでおけば、資産のアップグレードや置き換えを実施できるチャンスも増えるはずだ。
#5:アウトソーシングとコンサルティングリソースを誤用する
IT分野において、追加要員を雇う予算がないと判断された場合、しばしばアウトソーシングの対象となる。また、IT要員が有していないスキルが必要になった場合、コンサルタントが雇われたりもする。
このような予算案が提示されたり承認されるのは、新たな要員枠を確保するよりもアウトソーシングやコンサルティングの予算を確保する方が簡単だという場合も多いためだ。後者は長期的な投資につながるとは限らないのである。
しかし、アウトソーシングやコンサルティングは、企業の健全さと人的資産に対する長期的な投資という側面から評価することもできる。つまり、重要なプロジェクトをアウトソーシングする場合、ゆくゆくはアウトソーシング先のベンダーから(契約の一環として)IT部門の要員に対して引き継ぎが実施される時がくるはずだ。予算編成時には、要員教育に関する最終的な出費を見過ごしてしまいがちだが、これはあらゆるアウトソーシングやコンサルティングの契約と切っても切れない関係にあるのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。