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避けることはできない--Google Carで浮かび上がるロボットカー社会への疑問 - (page 2)

三国大洋

2015-10-08 07:00

  • ロボットカーの所有形態はどうなるのか。個人所有か、共同所有か、それとも両方が併存するのか。(Will they be privately or publicly owned? Both?)
  • ロボットカーが普及した場合、人間の運転する自動車は禁止されるのか?(Will nonautonomous vehicles be banned? When?)
  • ハッキング、ウイルス、マルウェア、バグなどをどうやって防ぐのか?(How will we secure them from hacking and viruses and malware and plain old-fashioned bugs?)
  • 利用者のプライバシーに関わる位置情報はどう保護されるのか?(How can we preserve our location privacy?)
  • 災害時や緊急避難の際などにロボットカーはどう運行されるのか?(How will they operate in disaster and evacuation scenarios?)
  • ロボットカーの損害保険はどうなるのか?(How will they be insured?)
  • Googleは、自社で車輌を製造、販売しないと言っているが、その場合どうやってロボットカーの取り組みから利益を確保するのか?(in terms of Google, if it isn't getting into the manufacturing business,…how does it intend to turn a profit off of this highly expensive research project it has embarked on?)
  • Googleはどんなデータを集めることになるのか? どんな情報をモニターするのか?(What will it track? What will it monitor?)

 裏を返せば、これがロボットカーを取り巻く現状――つまり、これだけのさまざまな疑問についての答えがまだ明らかになっていない、ということだろう。またこの分野の動きを追いかけていく上で抑えておきたいポイントという見方もできよう。

 この後の部分でHonanは、「個々の人間の考えや思いなどにはお構いなく、人間のドライバーを必要としない未来がいずれはやってくる」「なぜなら、人間のドライバーにつきまとう過失や不安定さなしで動くロボットカーのロジック、効率的で感情抜きな、そのロジックには疑問の余地はないから」などと書いているが、このあたりにGoogleに対する配慮がどの程度働いているのかは推測のしようもない。

マーフィーの法則に挑戦するGoogle Car

 一方、FusionやThe Vergeの記事などからは、Google Carの技術開発自体はかなり進んでいる様子が感じられ、すでに「ロボットカーがいかに安全であるか」といった点についてのアピールにGoogleが力を入れつつあるのかもしれない、といった印象も受ける(規制当局の説得と同時に、一般人の心理的な抵抗をなくすことも不可欠ということだろう)。たとえば、Fusion記事には次のような一節がある。

Googleのロボットカーはすでにたいていの状況には対応できるようになっている。走行ルートを見つけたり、障害物を避けたり、円滑に走行したりといった課題はほぼクリアしている。これまで何度か試乗した経験から言えるのは、Google Carは自分で(人間のドライバー抜きでも)走れるということ。つまり、利用者はただ社内に乗り込むだけで、あとは何もしなくてもA地点からB地点に移動することができる。少なくともマウンテンビュー(カリフォルニア)の良好な状況下ではそれが可能。

(略)

Googleのデモによると、ロボットカーはすでにかなり難しい状況もクリアできるようになっている。たとえば、夜間に自転車が十字路を横切り間違った車線を進んでいったり、オモチャの自動車(Power Wheels)に乗った子供が道の真ん中を走っていたり、ほかの自動車が右車線から(ルール違反して)目の前に割り込んで来たときなどに、それぞれどう対処すればいいかなどといった点はすでに解決済み。

(略)

ただし、かなり稀なケース――たとえば、七面鳥を追いかけて人間が道路に飛び出してきたといった場合でも事故が起こらないとはっきりわかるまでは、ロボットカーに対する疑問の目はなくならないだろう。その点はGoogleでも承知しており、ここ1年ほどはそうした例外的なケースに対処する方法の研究が続けられてきている。これはマーフィーの法則に挑戦しようとしているようなもの。

 ただ、これと前後して出ていたWSJ記事(※3)には、こうした説明と若干異なる内容も書かれていたので、やはり「安全に走行できる」というのと「ある程度上手に走れる」というのは別のことなのかもしれない。WSJ記事には、現状のロボットカーには融通に欠けるところ、あるいは必要以上に用心深いところがまだ残っており、なかなか人間の運転のようにはいかない。

 たとえば、人間には予想の付かないタイミングで停止するせいで後続車に「オカマを掘られ」てしまったり、交通量が多く、あまり視界が効かない交差点では30秒も一時停止してしまう、といったことが書かれてある。Googleではディープラーニング(機械学習)の技術を使って、こうした問題を徐々に解決しようとしているそうだ。

 それはそれとして、ひとりの人間が100万マイル(160万キロ)以上の距離を走行するには、どれくらいの年月がかかるのか…。プロのドライバーに関するデータなどは目にしたことがないのですぐには答えられないが、筆者のように年間に多くても1000キロといったペーパードライバーには到底走れない距離であることははっきりしている。

 そうして、Google Carにはすでにそれだけ長い走行距離を踏まえた膨大な経験値、さまざまな局面での対処方法が蓄積、搭載されている。そう思うと、自分などよりロボットカーの方がよほど安全だろう、という気も自然としてくる(無論すべて想定通り動くか否かという重要な点は別にして)。

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