合併における主要なポイントは以下の通りだ。
- Pivotalは現経営陣の下で操業を続ける。
- VMwareは独立した企業として存続する。
- 合併による相乗効果は10億ドルに上る。
- 両社はコンバージドインフラ事業やクラウド事業、データセンター事業の成長を目指す。
- EMCの中核事業の拠点は引き続き、マサチューセッツ州ホプキントンに置かれる。
Dell氏は今回の買収により自社を大きく変革することになる。Dellはおよそ2年前に、PC事業への依存から脱却し、多角化を推し進めるために非公開企業となる道を選択している。
EMCの買収は功を奏するだろう。合併後は法人向けの企業として以下の市場におけるリーダーを目指す。
- サーバ市場
- ストレージ市場
- VMwareを用いた仮想化市場
- コンバージドインフラ市場(EMCはVCEを傘下に置いている)
- ハイブリッドクラウド市場
- モバイル市場
- RSA製品を用いたセキュリティ市場(EMCはRSAを傘下に置いている)
また合併後の企業は、傘下のPivotalを通じてビッグデータ関連の分野でも発展が期待できる。合併により、さまざまなエンドポイントからデータセンターまでを網羅する製品群がそろうことになる。
EMCとDellは最終的に、それぞれの製品を組み合わせ、統合していく必要がある。企業連合を組むというEMCのアプローチは企業顧客にとって足かせとなっており、説得力もなかった。
Dellはプレスリリースで、製品ポートフォリオや営業分野、研究開発に対する両社の投資戦略が相補的な関係にあると記している。さらにDell氏は、EMCのVirtustream部門にも光を当てている。EMCがマネージドクラウド事業の拡大に向けてVirtustreamを買収したことを考えると、同社に光を当てている点は注目に値する。DellとEMCがハイブリッドクラウド市場で事業を進めていくには、パブリックコンピュート関連で説得力を持つ必要がある。
Dell氏は「非公開企業という組織構造に加えて、研究開発とイノベーションに向けた投資によって、われわれは類を見ない規模と強さ、柔軟性を手にするとともに、あらゆる規模の顧客とより深い関係を築けるようになる」と述べている。