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マーケティングオートメーション円滑導入に必要な”社内調整”とは - (page 2)

羽野三千世 (編集部)

2015-10-21 07:00

--具体的にどのようなパイロットを実施したのですか。

 バイロットは、数を追うのではなく、いろいろなパターンでMarketoを使ってみて、それぞれ何が起こるのかを試したいと考えていました。新製品を既存顧客に訴求する、既存顧客のリテンション、新規顧客に購読メールを出す、Hubspotを使っていたライフサイエンス部門に2製品の使い勝手の違いを確認してもらうなど、初期段階で合計12のパイロットを走らせました。コアチーム15人、参加人数40人くらいのプロジェクト規模でした。


パイロットでMarketoを導入した製品の一例

 先行してMAを使いたいと希望する部門に手を挙げてもらって、私たちコアチームのほうで“どういう顧客を対象にしたパイロットなのか”というペルソナチャートのようなテンプレートを作ったり、ウェブサイトを見直して顧客メールアドレスを獲得できる仕組みを整備したりといったサポートをしました。

 Marketoはクラウドベースのアプリケーションなので、実環境をすぐに構築でき、その上でシミュレーションを繰り返すことができます。先行導入して成果が出た部門では、そのまま実運用に移行することができました。

--パイロットではどんな成功事例、失敗事例がありましたか?

 成功事例として挙げられるもののひとつが、ライフサイエンス部門の新製品「Amersham WB System」という装置の新規顧客開拓の案件です。Amersham WB Systemは1台数百万円もするなかなか高額な機器で、このパイロットでは“営業担当者ではなくMarketoだけで高額な装置を売ることができる”という仮説の検証を行いました。

 Amersham WB Systemの購買意欲を引き出すシナリオをMarketoで設計し、想定顧客に対してメールマガジンを配信したところ、配信当日に営業担当者の訪問を希望するという1件のSQL(Sales Qualified Lead)を獲得することができました。結局購買にはつながらなかったのですが、この成功事例が、そのほかのパイロットシナリオを遂行するためのよい動機付けになったと感じています。

 逆に典型的な失敗例というか、成功していない例は、MAの使い方を考えすぎてしまうパターンです。MAを使ってこんなことをやりたいという企画はあるのに、失敗しないように念入りにコンテンツを作り込まなければいけないと構えて、一向にパイロットが始められないチームもあります。とりあえず使ってみて、失敗するなら早く失敗してそこから学んだほうがいい。失敗したって、「メルマガが読まれない」だけで何も致命的なことではありません。

--導入から1年が経過して見えてきた効果、課題はありますか?


GEヘルスケア・ジャパン チーフ・マーケティング・オフィサーの伊藤久美氏(右)とマーケティング本部 アドバタイジング&プロモーション部 部長の小山博之氏(左)

 現在は、1万2000人の登録者に定期・不定期に配信するメールマガジン「スマート・メール」を、すべてMarketoで管理しています。もともとメールマガジンの開封率は高いものの、MAの全社導入によって顧客がメールマガジンからウェブサイトに誘導されてくるときにどのようなコンテンツを見て回っているのかを把握できるようになり、よりリードジェネレーション型の配信ができるようになりました。

 使っていく中で気づいた具体的な課題としては、MAを最大限に生かせるよう、社内のプロセスを最適化する必要がある、という点があります。展示会を開催して見込み客リストを得たときに、誰がそれをMAに登録するのか、責任の所在が不明確で、その次の流れもはっきりとした定義がされていませんでした。そのため、本来2時間程度でMAに反映できるデータの登録が、3日後になり、5日後になりと遅れるリスクがあることがわかりました。このようなプロセス設計、運用体制についても、これから整備していく必要があります。

 メールアドレスの取得も今後の課題のひとつです。どのように院長先生や事務長のメールアドレスを獲得していくか、これから検討していく必要があると考えています。

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