BlueMemeは、ウェブアプリ開発ツール「OutSystems Platform」のプレスセミナーを開催した。同ツールは、“コードを書かずにウェブアプリを開発できるツール”として注目を集めている。
同社の代表取締役社長である松岡真功氏は、「OutSystems Platform」を利用することで「モデル駆動型開発」を実現できると説明。このモデルは、開発のプロセスのうち製造部分を自動化することで、開発期間を大幅に短縮するというもので、概念は40年以上前からあるという。ウェブアプリ開発では、プログラムを自動生成することで工期を大幅に短縮する。
BlueMemeの代表取締役社長である松岡真功氏
これを実現したのが、ポルトガルOutSystems社の「OutSystems Platform」だ。クリックやドラッグを中心としたビジュアルモデリングという第5世代の言語でプログラムを設定していくことで、内部で自動的にJavaやC#のソースコード生成されていく。
その効果は大きく、従来の手法では技術者ひとりが1カ月に作成できるファンクションポイントが16だったのに対し、OutSystemsを使うと175に跳ね上がる。実に10.9倍の生産性向上が可能になる。
OutSystemは、ビジュアルモデリングという第5世代の言語を使用する
これにより、ユーザーの用件を聞いて実装し、提供するまでのサイクルを数時間から数日で回すことが可能になる。従来は数カ月から、場合によっては1年以上かかっていたことからも、短期間でアジャイル開発を実現できることが分かる。
開発における設計からテストの部分の手間と時間、コストを劇的に減らすことができるので、大規模環境であるほど導入効果が高くなる。松岡氏は、「OutSystemで日本企業の競争力を高めていくこと、労働集約型から知識集約型にSIを変えていくことがミッション」とした。
短期間でのアジャイル開発を実現
また、モデル駆動型開発では、セキュリティ面でも非常に有効であるとした。従来の開発では、誰がいつログインした、誰が手を加えたなどセキュリティ上必要な監査ログや、ユーザーのパスワードの管理、アクセス制限などに大きく工数が割かれていた。
そこを自動化できる上に、OutSystemでは脆弱性をチェックしクリアしたコードだけでプログラムが自動生成される。そのためOutSystemでは、エラー、セキュリティホールのないコードが出ることを保証している。開発者にソースコードを一切触らせないということも、高いセキュリティを確保する大きな要因となっている。
さらにOutSystemは、従来のツールやアプリケーションのようにフレームワークやミドルウェアが入らない。このためOutSystemの利用をやめても、OutSystemで開発したアプリケーションはそのまま使用できる。ロックインされないことも特長だ。
このアーキテクチャが支持され、自治体を中心に導入が進んでいるという。特に京都市では、住民基本台帳、国保、介護、福祉、後期高齢などすべての基盤を3年計画でOutSystemに置き換えるとしている。
「OutSystems Platform」の概要