日本でもIT主導のイノベーション
一方、「日本でも、IT主導のイノベーションを提案する」(福田社長)。だが、ERPの未導入企業が多い。「売り上げトップ100社のうち、当社と付き合いのある企業は半分」(同)とし、開拓余地が残されているという。特にパブリッククラウドのAmazon Web ServicesでSAPのERPを利用するユーザーが100を超え、「ボリュームゾーンに入った」(同)と期待する。
だが、デジタル化をリードする人材は、多くの日本企業に育っていない。IT部門は構築した基幹系と情報系のシステムの保守、運用に時間も費用もさかれている。そこで、SAP日本法人はそれらシステムの標準化を提案する。ここでの標準化とは、コアの業務をシンプルにし、SAPなどのデータセンターに移行することだ。
外部委託でコスト削減を図るとともに、コア業務を担っていたIT部門の要員を運用や保守から解放する。日本法人はこうしてデジタル化に振り向ける人材を確保した企業と一緒になってデジタル化を推進する。そんなストーリーを描いているのだろう。