ストレージ
筆者は常々、VMwareがストレージ製品に対する機能追加を控えているのではないかと考えていた。VMwareはx86サーバSAN製品によって破壊的イノベーションをもたらす力を秘めている。その破壊的イノベーションは、親会社のEMC、あるいは近々親会社になるDellに打撃を与える可能性もある。こういった市場の可能性として、Nutanixに目を向けてみればよいだろう。筆者は、成熟度という観点からNutanixのソリューションと、EMCやDellのミッドレンジのストレージ製品を比較してみた。また、Nutanixのあるソリューションアーキテクトに話を聞いたところ、その人物はEMCのハイエンドアレイ製品「VMAX」と競合する提案を出して負けたことはないと主張していた。詰まるところ筆者は、VMwareがDellとEMCのいずれの中核ストレージ事業にも悪影響を与えることはないと考えている。
ネットワーク
Dellはホワイトボックススイッチ市場で積極的に活動してきている。また、ソフトウェア定義ネットワークソリューションを提供するVMwareやCumulus Networksといった企業と協力してきてもいる。「VMware NSX」の初期のマーケティングでは、Dellの製品のようなコモディティ化したネットワーク製品を使用できる能力がうたわれていた。VMware NSXを採用することで、コモディティハードウェアを用いて構築されたネットワーク上に、インテリジェンスとサービスがもたらされるのだ。
筆者は、VMwareがネットワークハードウェアのプロバイダーを買収した場合、同社のネットワーク担当ジェネラルマネージャーMartin Casado氏がどのような製品を開発してくるのかを常々考えていた。Dellとの新たな関係によってVMwareブランドのネットワーク機器が登場する可能性が出てくるかもしれない。筆者はDellの製品ロードマップの一環として、Arista Networksといったプロバイダーとの新たな提携が発表される日を心待ちにしている。
まとめ
筆者は、VMwareと競合する企業が大規模買収につきものの不確実性に乗じるのではないかと考えている。また、DellのEMC買収がVMwareに直接影響を与えないというMiniman氏の予想に同意する。そして今回の買収は、VMwareのテクノロジに関するあなたの企業のテクノロジを見直す機会になると確信している。
Dellがどこかの時点で、VMwareの残りの株式を買い取り、完全子会社化する可能性はあるだろう。Dellは今後の数年間でVMwareの持ち株比率を高める意向を明らかにしている。これが現実になれば、VMware製品と仮想化業界全体に大きな変化が訪れることになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。