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データが悪ければ、良い意志決定はできない--トップ企業が語るデータ活用の秘訣 - (page 2)

鈴木恭子

2015-10-21 16:47

 Wimmer氏はデータ分析とIoTの可能性について言及。「技術が変わる前にユーザーのマインドが変わった。今、多くの会社が『データは資産』だと認識している」と指摘する。

 例えば、2000年ごろまで小売業界では、販売時点情報管理(POS)システムから「いつ、誰が、何を購入した」程度のデータしか集めていなかった。しかし、さまざまなビジネスインテリジェンス(BI)ツールが登場し、外部データを取り入れ複数のデータを相関分析することで、新たな知見が得られるようになった。

Hermann Wimmer氏
Teradata 共同プレジデント グローバルデータ分析部門担当 Hermann Wimmer氏

 こうしたトレンドは、データに対する意識を変える。「データは単なるトランザクション(何を購入したかの処理)からインタラクション(購入するまでのやり取り)を理解するものとなった」(Wimmer氏)

 同氏はIoTがユーザーのデータに対する意識を大きく変えると語る。2020年までに世界のIoTデバイス数は500億超、世界経済の11%はIoT関連が占めると予測されており、IoTは既存のビジネスモデルを根底から覆し、新たな市場を作り出すと言われている。

 その代表例が、2009年3月に創業したオンデマンドの配車サービスUberだ。利用者はUberの専用アプリから現在地と移動したい場所を入力するだけで、タクシーよりも安く移動できる。Wimmer氏は、「乗車前に料金やドライバーの情報が入手できるなど、(既存のタクシーと比較し)利用しやすい。Uberのサービスはユーザーが定義している」と語る。

 ただし、同氏は「IoTは初期段階」であると指摘する。「現在は収集されているデータの1%程度しか分析に役立てられていない。IoTで収集されたデータをどのように利用するかは今後の課題だが、5年後にはすべてのデータを分析できるようになるだろう」との見解を示した。

Oliver Ratzesberger氏
Teradata Labs プレジデント Oliver Ratzesberger氏

IoTデータ“も”高速処理

 続いて登壇したTeradata LabsのRatzesberger氏は、「現在は技術的な変革期を迎えている」とし、2015年10月初頭に発表した「Teradata Database on AWS」を例に同社のクラウドに対する取り組みを紹介した。

 Teradata Database on AWSはTeradataがパブリッククラウド用に提供するTeradata Databaseの最初のバージョンだ。Amazon Web Services(AWS)がサポートされている国と地域からAWS Marketplaceを通じて利用できる。これまでTeradataはパブリッククラウドへの対応について、「顧客ニーズを見たい」と慎重な姿勢を示していた。

 こうした変化についてRatzesberger氏は、「ユーザー企業はクラウド上でデータを管理し、クラウド上で処理したいと考えるようになった。Teradata Database on AWSはそうしたニーズに対応するものであり、クラウド上で発生するデータをすぐに分析できる。ユーザー企業に選択肢を提供するという観点からもオンプレミス、ハイブリッドクラウド、パブリッククラウド(で利用できる環境)を構築していく」と語った。

 Teradataは10月18日、Hadoopに対応した分析ツール「Aster Analytics on Hadoop」と、IoTデータをリアルタイムで処理し、ユーザーのセルフ分析を支援するTeradata Listenerを発表した。Ratzesberger氏は「IoTではリアルタイムで起こっていることを“データに聞く”ことが重要だ。クラウド技術を利用し、これまで収集できなかったソースからのデータを統合すれば、その“聴力”をさらに高められる」と力説する。

 最後に同氏は「アーキテクチャをシンプルに統合すれば、リードタイムも短く、簡単に分析できる。将来的にはすべてのデータを分析可能にする。そのためには(それを実現できる)エコシステムを構築するパートナーシップが重要性だ」と語り降壇した。

Bob Fair氏
Teradata 共同プレジデント マーケティングアプリケーション部門担当 Bob Fair氏

1時間27回の“チェンジ”に対応できるか

 最後に登壇したマーケティングアプリケーション部門担当を務めるFair氏は、「多様化する消費者とのチャネルに対し、企業のマーケティング部門はカバーできていない」と現状を指摘する。

 2014年に調査会社のRosettaが公開した「カスタマーエンゲージメント調査」によると、消費者は商品購入を検討する際、モバイルデバイスやウェブサイト、各種SNSアプリなどの情報提供プラットフォームを1時間に27回も変更するという。「こうした消費者の行動とマーケティング部門の施策のギャップが顧客把握の妨げになっている」(Fair氏)

 こうした課題を解決するには、顧客を中心にデータを連携させ、個々の顧客に最適化されたマーケティングが不可欠だとFair氏は説く。そのために重要なのは、「顧客理解」「マーケティングの俊敏性」「リアルタイムによる情報提供」であるという。

 「ユーザーの65%以上は『自分が製品を購入するブランドが自分の嗜好を把握していない』と感じている。これは、マーケティング部門が顧客情報を一元管理できていない弊害だ。ビジネスのイニシアティブを顧客が握っている状態では、必要な情報を最適なタイミングで提供するだけでなく、関連性のある情報もリアルタイムで提示し、インタラクションを高めていくことが重要だ」(Fair氏)

 同氏は今後のマーケティングついて「購入した製品を顧客がどのように使い、どんな感想を持ったのか。コールセンターやSNSなどの文字情報もリアルタイムで取り込み、マーケティングに生かすことが(マーケティングの)勝敗を分ける」と語り、講演を締めくくった。

会場となったカリフォルニア州アナハイムのAnaheim Convention Center
会場となったカリフォルニア州アナハイムのAnaheim Convention Center

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