ノキアソリューションズ&ネットワークスは、携帯電話事業者向けのビッグデータ分析アプリケーション「CEM on Demand」を2014年から販売している。これを使うと、ネットワークのトラフィックデータや顧客データといった複数のデータソースを突き合わせて横ぐしで分析できる。
グローバルでは欧州を中心に37事業者が採用済み。まだ国内に採用企業はないが、2015年4月に組織変更を受けて販売体制を強化しており、2016年上期の受注(トライアル導入)を見込む。
CEM on DemandのBIダッシュボード画面
CEM on Demandは、CEM(Customer Experience Management、顧客体験管理)を実現するシステムだ。回線そのものの品質や料金、アプリケーション視点での品質、顧客アンケートから得られる評価、サポート満足度、などを顧客ごとにスコア化し、顧客一人ひとりの顧客満足度をCEI(Customer Experience Index、顧客経験指数)として0~100の絶対値で表す。このCEIをベースに、顧客体験を分かりやすく俯瞰できるようにする。
通信事業者はこれまで、ネットワーク中心のアプローチ(基地局やエリアごとにネットワーク障害はないか)や、サービス中心のアプローチ(音声サービスやデータサービスなどのアプリケーションサービスを利用する上で問題はないか)で改善を図ってきた。
これに対してCEMでは、顧客中心のアプローチで改善を図る。つまり、長期に契約している顧客や、SIMロックフリー端末のSIMカードを差し替えて移行してきた顧客など、タイプが異なるさまざまな顧客の体験を俯瞰して、それぞれの顧客に合わせて改善を図れるようにする。
ネットワーク階層(回線品質)とアプリケーション階層(サービスの利用品質)に加えて、顧客体験の階層でサービス品質を把握して改善を図る