複数データソースを収集・統合し、HadoopとBIで洞察を得る
システムは、ビッグデータ分析のための分散処理エンジン(Hadoop、およびSQLでHadoopを利用するためのHive)や、BI(ビジネスインテリジェンス)のダッシュボードで構成する。通信事業者が既に持っているデータソース(トラフィックログや顧客データなど)を収集してHadoopに格納し、これを分析する。
従来は、それぞれのデータを個別の指標としてバラバラに分析していたが、これをまとめて分析することによって洞察を得る。
例えば、監視プローブから得られるトラフィックログと、CRM(顧客関係管理)システムから得られる顧客データを突き合わせることによって、個々のトラフィックデータがどの顧客にひも付いているのかが分かる。
これにより、ダッシュボード上では、ある顧客のCEIが急激に低下した場合に、原因をすぐに調べられるようになる。その顧客に何が起こったのかが分かる。個人のCEIだけでなく、条件に合致する集団のCEIも把握できる。
データの組み合わせ方とそこから得られる洞察について、分析のシナリオ(ユースケース)を多数テンプレート化している。「100個を超えるユースケースを、それを適用した場合に得られる収益を計算した上で提案できる」(松崎氏)。
例えば、マーケティング部門や営業部門向けのユースケースでは、「新しいキャンペーンの対象となる顧客層を抽出する」目的や、「重要な法人顧客を維持して乗り換えを抑制する」目的に利用できる。
CEM on Demandは、買取または年額制で導入する。料金は、構築するシステムに応じて異なり、個別見積もり。
2016年に予定している機能強化では、キャリアが用意している負荷分散のための公衆無線LANサービスを、現在よりも快適に使えるようにする。
具体的には、顧客の属性に応じて適切なアクセスポイントに接続させる。現状では一般的に、電波状態の良いアクセスポイントが自動的に選ばれる。CEM on Demandを使うことで、個々のアクセスポイントの込み具合や利用中のアプリケーションなどを考慮した上で、適切なアクセスポイントに端末を接続する。