例えば今では、Azureの仮想マシンのうち4つに1つがLinuxで動作しています。このため、われわれはLinuxをAzureプラットフォームで利用される主要なOSの1つにするために真剣に取り組んでいます。また、「Git」「Java」「NodeJS」「PHP」「Python」「Ruby」「.NET」などの、幅広いプログラミング言語やツールを扱っています。さらに現在では、Azure上でChef、Cloud Foundry、Jelastic、Puppetを始めとするさまざまなサードパーティーをサポートしています。
これはもちろんわが社のコンテナ戦略にもあてはまるもので、オープンさと充実した選択肢は、Microsoftのコンテナに対するアプローチの大きな柱となっています。Azure Container Serviceはそのよい例でしょう。このサービスは、わが社のクラウドサービスを、オープンソースのApache MesosおよびDockerと組み合わせることで、コンテナの展開、オーケストレーション、管理のための基盤を提供しています。
--なぜ、このソリューションの中核的な部分にApache Mesosが選ばれたのでしょうか。
Russinovich氏:現在、Fortune 500企業の80%以上がMicrosoftのクラウドサービスの顧客であり、わたしはCTOとして、それらの企業の多くと頻繁に話をしています。
それらの会話の中で明らかになったことの1つは、コンテナ技術を評価する段階から導入する段階に移行しつつある企業の多くが、コンテナアプリケーションの管理と展開に伴う課題を解決するために、Mesosを選択しているということでした。Azure部門のほかのリーダーたちも、同じ傾向に気づきました。
それで、最初にサポートすべきオーケストレーション技術がMesosであることが明らかになったのです。それに加え、先ほど述べた通り、Mesosのオープンさと柔軟性は、わが社のオープンさを中心としたコンテナ戦略に合致していました。
--この戦略でMesosphereと提携することが発表されました。MesosphereのDCOSは、このコンテナ戦略のどこに位置づけられるのでしょうか。
Russinovich氏:Azure Container Serviceでは、MesosphereのDCOSのオープンソースコンポーネントを使用しています。例えば、コンテナアプリの起動とスケーリングには「Marathon」を、cronとバッチワークロードの分散処理には「Chronos」を使用します。
しかしコンテナサービス以外にも、Azureプラットフォームではすでに別の形でMesosphereのDCOSに取り組んでいます。今年Microsoftが開催したカンファレンスBuildでは、Azure上でDCOSクラスタを簡単に起動できることを示すデモを行い、数秒間で数千のDockerコンテナを展開してみせました。このデモは、大規模な環境でもコンテナのパワーと簡単さを利用できること、そして、Azureのような超大規模クラウドプラットフォームと、MesosphereやDockerのようなパートナーのテクノロジによって可能になりつつあることの例をよく示しています。
--LinuxとWindowsのハイブリッドワークロードに対するMicrosoftのビジョンはどのようなものですか?これまでに、MesosをWindows Server上で動作させる試みについて話を聞いています。われわれは、そのような一体となった世界に向かっているのでしょうか。
Russinovich氏:先ほど、あらゆる人がコンテナの恩恵を受けられるようにしたいという話をしました。これは、WindowsユーザーかLinuxユーザーかに関わらず、そしてパブリッククラウドのユーザーかプライベートクラウドのユーザーかに関わらずです。顧客は、ワークロードを複数の多様な環境にまたがって統合する手段を求めており、われわれはそれを支えようとしています。
前に述べたように、Microsoftはその意気込みをいくつもの形で示しています。わが社の新たなコンテナサービスもそうですし、MesosとAzureの統合も、そして最近では、今年開催されたMesosConカンファレンスで披露したWindows Server上で動作するMesosのデモもそうです。
顧客に選択肢と柔軟性を提供することで、顧客のイノベーションを加速し、だれもがその恩恵を受けられるようにしようとしています。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。