PCは11四半期連続で成長--ゆるぎないコミットを示す
PCも質問が集中した分野だ。今回のDell Worldの基調講演には、ゲストスピーカーとしてMicrosoftの最高経営責任者(CEO)を務めるSatya Nadella氏が登場するが、以前は完全に領域が分かれていたMicrosoftはタブレットに続いてPCも発表している。モバイル端末により市場が減速しているが、DellはPCベンダーのDNAにこだわり続けるのか?
クライアントソリューソンズ事業を率いるJeff Clarke氏は、「PC事業にコミットしている」と正々堂々と述べる。
「PCはスケールビジネスであり、Dellはコンシューマーから法人まで、ノートPC、デスクトップPC、タブレット、シンクライアント、ワークステーション、ゲーム端末、そしてIoT――すべて参加している」とClarke氏。EMCとの合併により、エンドツーエンドのポジションがさらに強固になると展望した。
「PCにイノベーションはない」という会場のある記者の意見に対しては、「たくさんのイノベーションの余地がある」と反論した。例として2週間前に発表したXPS 13の最新機種を挙げたほか、世界にある18億のインストールベースのうちの6億台が4年以上前のPCであるとし、アップグレード需要を示唆した。「ハードウェアの点からみて、やるべきことはたくさんある」とClarke氏。
このようにPCへのコミットは見せたが、PC市場が統合に向かっていることも認める。「Dellのシェアは現在、11四半期連続でシェアを増やしている」とClarke氏は胸をはる。現在、Dellを含む上位3社がPC市場に占める合計シェアは55%だが、この傾向は今後さらに進み、2020年には75%になると予想した。
PC市場の成長エンジンの1つが途上国だ。中国市場では家庭におけるPC普及率が35%、インドは10%であり、これらは米国の90%以上と比べると普及の余地があると見る。Dellは中国市場で前四半期。10%増で成長したことも報告し、このようなタイミングは「またとない大きなチャンス」と例えた。
Dell氏によると、PC事業で中国は米国に次ぎ2番目の市場となっているとのこと。Dellは中国でDellのみを取り扱うストアを1万2000店持っており、今後も増やすという。
このようにEMCの買収については発表から日が浅く、Dell氏および幹部の発言に新しいものはなかったが、明日以降のDell Worldでどのぐらい具体的な話が出てくるのか期待したい。
Dell氏とともに幹部8人が並び質問に答えた。
Jeff Clarke氏(左)、Rory Read氏(右)、Marius Haas氏(右から4番目)