Tucci氏についてはどうだろうか?O'Donnell氏は「Joe Tucci氏は素晴らしいリーダーだ」と述べている。とは言うものの「同氏のビジョンと会社経営手法は概ね優れているが、EMCフェデレーションは成功しているとは言い難く、フェデレーションを構成する企業の幹部らもこの連合をうまく活用できていない」とも語っている。
「フェデレーションは大胆な試みであり、リスクに立ち向かう意気は称賛に値するが、顧客を混乱させ、期待通りの相乗効果を実現できていない」(O'Donnell氏)
合併のメリットについてはどうだろうか?O'Donnel氏は、DellとEMCの合併によって「統合され、あらかじめパッケージ化されたデータセンター向けインフラ技術の強力な展開が可能になる」と考えているとしつつも、「買収にともなう巨額の負債」という弱点を抱えることになると述べた。また同氏は、さらに重要な点として「目まぐるしく成長するクラウドコンピューティングの世界において、新生Dellが(この買収で)信頼できる企業に位置付けられる」ようにはならないと警告している。
この合併を特に脅威と捉えている企業はどこかと尋ねられたO'Donnell氏は、「間違いなくHPだろうが、Cisco SystemsやHuaweiも脅威に感じているはずだ」と答えた。同氏の考えでは、IBMも脅威を感じる可能性はあるが、それは「IBMが同社のハードウェア事業の多くを売却する前に比べるとずっと小さなものでしかない」のだという。
同様にGartnerのシニアアナリストWerner Zurcher氏は、今回の合併によってユーザーにメリットがもたらされるものの、合併関連のコスト負担が研究開発費の圧迫につながるだろうと考えている。
Zurcher氏は「(合併は)Dellにとってメリットがあり、同社が大きな勝利を手にすると考えている」と述べるとともに、「Dellはこのところ、活発な企業運営ができていなかった。しかし今回、VMwareの一部を手に入れることで、クラウドやフラッシュストレージといったさまざまな分野で大きな違いを生み出せるようになる」と述べた。
また、同氏は「これらすべての中心で、VMwareが主役となる」と述べ、新しい親会社はより大きな勝利を手にする可能性があるとも述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。