Cisco SystemsはIoT分野への攻勢を強めていく姿勢を明確に打ち出すべく、製造業と石油/ガス業界、電力業界、運輸業界におけるIoTソリューションとその事例を10月初旬に発表している。
この流れの一環として同社は米国時間10月27日、ParStreamを買収する意向を表明した。ParStreamはドイツのケルンに拠点を置く新興企業であり、同社が提供するアナリティクスデータベースを利用することで、ネットワークに接続されていれば、どこからでもほぼリアルタイムで、大規模データの分析や格納が可能になる。
- TechRepublic Japan関連記事
- JAL、IoTと人工知能で従業員満足度を向上--仮説の設定と検証を自動化
- リアルタイム分析の課題--データをどう組み合わせるべきか
Ciscoによると、この買収は2016会計年度第2四半期に完了する見込みだという。
Ciscoの投資担当バイスプレジデントであるRob Salvagno氏はこの件について、買収によって「顧客は大規模データに対するより高速なアクセスとともに、数十億件におよぶレコードの迅速な分析や抽出が可能となるため、情報をほぼリアルタイムで業務に活用できるようになる」と述べている。
Salvagno氏はその例として、再生可能エネルギー関連企業が「風力発電施設に設置されている各タービンのパフォーマンスを最適化するための、そして風向きや温度といった環境の変化に迅速に対応するための情報を提供して、数千基にもおよぶタービンを同時に追跡、監視する」うえでいかにParStreamを活用できるのかについて語った。
こういったエネルギー関連企業はParStreamのソフトウェアを使用することで、タービンやセンサのデータを中央のサーバではなく、風力発電施設に最も近いネットワーク上のサーバに保存できるようになる。Ciscoによると、高度に分散化されたネットワークを介する場合であっても、分析結果にアクセスできるという。
さらに、コネクテッド機器から取得したデータにリアルタイムでアクセスすることにより、予測メンテナンスによる機器のダウンタイム減少、生産性の向上、環境パターンの履歴分析などの利点が期待できるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。