IBM、The Weather CompanyのB2Bデータ事業と関連資産など買収へ

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-10-29 10:43

 IBMは米国時間10月28日、The Weather CompanyのB2Bのデータ事業と関連資産を買収することで合意したと発表した。これにより、IBMのIoT(モノのインターネット)に向けた取り組みが強化されるはずだ。

 買収条件は明らかにされていないが、買収金額は20億ドルを超えるとThe Wall Street Journal報じていた

 IBMが3月にモノのインターネットに特化したIoT(Internet of Things)事業部門を立ち上げた際には、The Weather CompanyのBtoB部門との提携を発表していた。

 この買収によって、The Weather CompanyとAmazon Web Services(AWS)の親密な関係にくさびが打ち込まれることになる。

 IBMは声明で、The Weather Companyのテレビ事業であるThe Weather Channelが買収対象となっていない点を強調している。つまり、The Weather Channelは、長期のライセンス契約に基づいてIBMからデータの供与を受けることになる。


 IBMは声明に「The Weather Companyのクラウドベースのデータプラットフォームを利用すれば、IBMは世界各地に散在する多様なデータセットを今まで以上の規模と速度で収集/格納/分析したうえで配信できるようになるとともに、『Watson』プラットフォームを活用した幅広く、かつ深い洞察が可能になる」と記している。

 IBMは、気象データをエンタープライズIoTの重要なパーツと捉えている。同社はThe Weather Companyのデータ専門家や、予報ツール、クラウドプラットフォームを手にすることになる。またこの他にも、アプリによるユーザーとの接触機会や、飛行機のフライト情報、情報製品も入手可能となる。

 さまざまな点で、IBMは自社の複数の事業で利用できるプラットフォームを利用できるようになるわけだ。またIBMは、The Weather Companyのデジタル広告プラットフォームと、それを用いて将来的に可能となるツールについても言及している。

 ただ、IBMとThe Weather Companyの取り組みがターゲットとしている、保険業界や政府関係、小売業界、エネルギー関連業界などの市場に対するソリューションは現在のところ、ほとんどが「近日中にリリースする」という扱いとなっている。


 買収は2016年第1四半期に完了する見通しだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    初心者にも優しく解説!ゼロトラストネットワークアクセスのメリットと効果的な導入法

  2. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  3. セキュリティ

    「iPhone」の業務活用を促進!セキュリティ対策で必ず押さえておきたいポイントとは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Google が推奨する生成 AI のスタートアップガイド、 AI を活用して市場投入への時間を短縮

  5. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]