サイボウズは10月29日、無償でチャットやグループウェアを使える「サイボウズLive」のスマートフォン用アプリケーション「サイボウズLive TIMELINE」を発表した。iOS版は11月上旬、Android版は12月のリリースを予定し、App StoreとGoogle Playから提供する。

サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏
新アプリの発表会に登壇したサイボウズ 代表取締役社長の青野慶久氏は、「サイボウズLiveはSNSほどではないものの、2010年10月のリリース以降、着実にユーザー数が増加した。自分の子どもが通う保育園の保護者会でも使われている」とアピールした。サイボウズLiveのユーザー数は、10月時点で135万人を突破しているという。青野氏は「(サイボウズLiveは)小さいチームや生まれたばかりのチームの裾野を広げる役割があると思っている。沢山の人に使ってほしいという気持ちを込めた」と無償提供する理由を述べた。
続いて登壇したサイボウズLiveプロダクトマネージャーの大槻幸夫氏は、2009年からサイボウズLiveのプロモーションを担当し、2014年からプロダクトマネージャーとしてサイボウズLiveに携わっている。“個人向けのサイボウズを作りたい”という目標を持って入社した大槻氏は、「会社以外のグループでも便利に使える無料グループウェア」という位置づけでローンチした5年前と現状を比較して、「ワークスタイルの多様化により、サイボウズLiveが活躍するシーンは増加する」と述べつつも、「利便性を理解してもらっていない」ことに気付いたと語っている。

サイボウズLiveプロダクトマネージャーの大槻幸夫氏
その気付きのきっかけとなったのは、あるユーザーの「リーダーはサイボウズLiveに満足しているが、学生が使ってくれない。学生は皆LINEやFacebookを使ってしまう」というツイートだという。大槻氏は、「ビジネスグループとプライベートグループには違いがある。プライベートグループは関係性がフラットなためツールの導入プロセスも、そこに“ユーザーの共感や納得といった要素”が必要」だと説明。そこで開発したのがサイボウズLive TIMELINEだとした。
サイボウズLive TIMELINEの最大の特徴は、タイムライン(グループチャット)にある。参加メンバーとすぐに会話ができるという点を重視し、アプリ起動時にタイムラインが最初に開く仕様にした。タイムラインでは、テキストによる会話以外にも写真などのファイル共有や「いいね」も可能。これまでサイボウズLiveに実装していた「イベント」「ToDo」「ファイル共有」は、アプリで新搭載したメニュー「グループボックス」から参照できる。「グループボックスの更新情報はタイムラインにも反映されるため、反映されるため、情報を見落とす可能性が低くなる」(大槻氏)

「サイボウズLive TIMELINE」のiOS版。アプリケーションを起動すると最初にタイムラインが現れる
新アプリは一見すると至極シンプルな構成だが、大槻氏はその理由について、「既存のグループウェアが持つ“情報をどこに格納するかを考えてから投稿しなければならない取っ付きにくさ”が利用のハードルになっていた。この問題を解決し、コミュニケーション量の増加やスピードアップを図るため」と説明した。「まずは(コンセプトに沿った)必要最小限の機能を搭載した。来年以降の機能拡張で、他のアプリを代替するような存在を目指す(大槻氏)
サイボウズLive TIMELINEのターゲット層も、「既に組織化しているグループから、これから組織化していくグループ」に変更して、これまでのPC中心のスタイルからスマートフォンを主軸に開発や展開を行っていくという。青野氏もサイボウズLive TIMELINEに対して、「ユーザー数の相当な増加を目指している。ファーストグループウェア企業として、サイボウズというブランドを浸透させたい」と今後の展望を語った。