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日本株展望

鉄鋼大手が業績下方修正を発表

ZDNet Japan Staff

2015-10-30 11:04

 10月29日に新日鐵住金(5401)とJFE HLDG(5411)が、9月中間決算を発表するとともに、今期(2016年3月期)の業績予想を下方修正した。アナリストのコンセンサス予想を大幅に下回る利益水準に落ち込む予想を出してきており、本日、両社の株価は下落する可能性が高いと考えられる。楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏が解説する。

新日鐵住金(5401)が発表した上期実績と通期業績予想の修正

上半期(2015年4~9月)実績


(出所:同社決算短信)

 売上高は、7月29日時点の会社予想通りに着地したが、連結経常利益が、会社予想を大きく下ブレた。

通期(2016年3月期)の業績予想


(出所:会社予想は新日鐵住金、市場予想は10月28日時点のIFISコンセンサス予想、
観測記事は10月21日の日本経済新聞朝刊)

 新日鐵住金(5401)が発表した今期経常利益の修正予想は前年比マイナス45%の2500億円で、事前の市場予想や観測記事の予想をさらに下回るものだった。したがって、今回の修正予想はネガティブサプライズ(低すぎて驚き)と取られる可能性がある。

利益の実態は数字に表れているほど、悪化していないと考えられる。

 今期、新日鐵住金(5401)の鉄鋼事業利益が大きく落ち込む理由を、同社の決算説明会を聞いた上で、窪田氏が整理した。細かい要因は割愛し、大きな要因だけ挙げると、3つあるという。

(1)鉄鋼国際市況の下落

 中国が国内で大量に余った鉄鋼製品を処分するために安値で輸出ドライブをかけた。その影響で、鉄鋼の国際市況が予想以上に大きく下がった。このため日本メーカーは輸出採算が悪化した。

 ただし、安値の中国品は日本へはほとんど入ってこないので、国内の鉄鋼市況は、国際市況ほどは下がっていない。

 なお、中国メーカーもほとんどが赤字になる水準まで汎用品の市況は下がっており、このままでは来年にかけて中国メーカーからもかなり破綻が出ると考えられる。もしそうなると、生産に歯止めがかかり、鉄鋼市況の反発につながる。

(2)在庫評価損の影響

 鉄鋼石や石炭などの原料価格も予想以上に大きく下がった。これは、業績を押し上げる要因だ。ところが、今期は価格下落前の高値で仕入れた原料在庫が残っているために、計算上、在庫評価損(キャリーオーバー)が発生する。そのため、今期は原料安メリットがフルには出ない。

 会社側の説明によると、キャリーオーバーの影響がなければ上半期の経常利益は前年比マイナス9%の1608億円となっていた模様だ。通期の経常利益も、在庫評価損の影響を除けば、前年比毎朝32%の3060億円となる見込みだ。

 在庫評価損は、原料価格の下げがあまりに急だったために一時的に発生するもので、来期以降、原料価格が落ち着けば発生しなくなる。

(3)国内で自動車生産の回復が遅れていた影響

 自動車生産の回復が遅れ、国内の薄板3品の在庫水準が高くなったため、高炉各社は上半期、減産を実施した。その影響で、上半期の業績が計画を下ぶれた。下半期は、国内の自動車生産は増加に向かい、公共投資も増えると考えられるので、徐々に生産を通常水準に戻すことができると予想される。

 今期は、(2)の在庫評価損を含め、一時的な要因で利益がかなり落ち込む。一時的要因を除けば、実態利益の落ち込み幅は縮小する。

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