――統合ではIBMと提携した。今後、他のベンダーとも同じような提携を進めるのか?
6月に提携したIBMとは、Filenet Content ManagerなどIBMのコンテンツ管理技術との統合などを行う。Watson Analytics、StoredIQなどIBMがもつ高度な技術との統合も進める。これらに加えて、今回のBoxWorksでは統合を拡大した。IBMはAppleと提携しているが、BoxはAppleとも提携している。3社が協力することで、パワフルなモバイルソリューションが実現するだろう。
将来、顧客にメリットがあると判断すれば、同じような提携を他社とする可能性はある。ただ、われわれはまだ規模が小さいので、次々に提携をするというわけにはいかない。IBMとの提携は非常に大きく、まずはこれをきちんと形にして育てていく。
――ユーザーインターフェイスや使い勝手の改善では、どのような取り組みをしているか?セキュリティ機能とユーザビリティのバランスをどのようにしてとっているのか?
セキュリティ機能とユーザビリティは常に引っ張り合いの関係にある。機能が豊富になれば複雑になり、使い勝手やユーザー体験が損なわれる。使い勝手を優先させれば、機能は削ぎ落とすしかない。
われわれはこの2つをいかに両立するのかに大きくフォーカスしている。それにあたって、可能な限りセキュリティと管理的機能をユーザー体験から分け、プラットフォームと管理コンソールに集約させている。その管理コンソールでも使い勝手を改善している。
販売する側として最悪なのは、顧客がすばらしいメリットや効果を期待してシステムを高額で購入したのに、利用されないという事態だ。ユーザーはあるシステムが使いにくいと不満を感じると、別のものを勝手に使う。そうなるとコストの無駄で、セキュリティ上でも問題が出てくる。
そこでわれわれはユーザーの受け入れを成功の主要な指標としてみている。現在、導入企業のBoxの受け入れは90%以上。これは、われわれの取り組みが正しい方向にあり、受け入れられていることを実証している。