海外コメンタリー

ソフトウェア主導時代のアプリ戦略に対応するために--必要とされる4つの新たな役割

Joe McKendrick (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2015年11月11日 06時30分

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 企業で使う技術が大きく変化し続けていることは周知の事実だ。では、職務も変わっているのだろうか?

提供:USDA
提供:USDA

 IT部門で使用されている職務の分類は、長い間ほとんど変わっていない。まず、部門全体の責任者として最高情報責任者(CIO)または担当役員がおり、この人物がプロジェクト、開発、運用マネージャーなどを監督する。そしてマネージャーは、開発者、プログラマー、管理者などを管理する。これらの人たちは、ストラテジスト、アーキテクト、アナリストなどと横並びの関係で働く。

 Accentureが発表したレポートで、Paul Daugherty氏とBhaskar Ghosh氏は「これらの役割は、アプリケーション開発がデジタル技術の変化の速度に、これほどのスピードで適応する必要がなかった時代にはうまくいっていた」と述べている。しかし、今や状況は変わっており、職務の役割もその変化に応じて進化する必要がある。

 両氏は以下のように述べている。

 デジタルの世界はソフトウェアで動いている。アプリケーションは今や、企業戦略の原動力となっている(中略)。

 企業はますますソフトウェアに依存する中、新たなアプリ戦略への転換が求められている。こうした戦略とは、プラットフォームベースで再利用可能なコンポーネントを持つ(リキッド)、コグニティブコンピューティングや機械学習における最新の進歩を活用する(インテリジェント)、パートナー、サプライヤー、顧客から成るさらに大規模なエコシステム、そしてインダストリアルIoTにつながる(コネクテッド)というものだ。

 企業がこうした新しい戦略を採用するにつれて、企業のITとその他部門、組織の内外、人材とテクノロジの間にある従来の境界線があいまいになり、消えつつもある。同時に、企業は変化に富んだ市場の需要や要件に反応するとともに、テクノロジをさまざまなスピードで提供する必要性に対応している。

 Daugherty氏とGhosh氏が考える、今後IT部門が前進する上で重要になる新たな4つの役割を以下に紹介する。

プラットフォームディレクター:近年のソリューションは(その点では企業そのものも)、プラットフォームの上に構築されており、モジュール式のコンポーネントを追加したり、外したりすることができる。Daugherty氏とGhosh氏は、「そのようなプラットフォームには、新たな役割であるプラットフォームディレクターが必要になる。プラットフォームディレクターは、抽象レベルの高い戦略の設計と実行の責任を負い、そのプラットフォーム上での作業を管理する」と述べている。プラットフォームディレクターは、APIの管理も担当するほか、事業部門とIT部門の橋渡しも行う。それに加え、この役割は外向きの役目を負っている。「企業がオープンなオンラインプラットフォームを構築する際、プラットフォームディレクターは製品マネージャーと同様の役割を果たす。つまり、顧客とパートナーの両方のニーズを理解する役目だ」と同氏らは付け加えている。

シチズンデベロッパー:オープンなプラットフォームやフロントエンドツールによって、ビジネスユーザーも活動に参加し、アプリやインターフェースを自分で作成し始めている。「(潜在的には)誰もがシチズンデベロッパーであり、社内、社外の誰でもシチズンデベロッパーになる可能性がある」とDaugherty氏とGhosh氏は言う。これはIT部門にとってはよいこと(悪いことではなく)だと言える。なぜなら、エンドユーザーが必要なときに必要なフロントエンドを素早く構築して展開する能力を持てば、IT部門はセキュリティやレジリエンシー、インフラなどの重要な問題に集中できるからだ。また、これはアジャイル開発の究極の姿であり、「開発サイクルは非常に短くなり、アプリケーションの構築、メンテナンスをフェーズに分けておこなうことはなくなる」という。

エコシステム構築者:この風変わりな職務は、大企業とサプライチェーンパートナーとの間のオープンな協力関係から生まれるものだ。Daugherty氏とGhosh氏は、「エコシステム構築者は、そのような関係性に関するあらゆる支援と調整を行い、ビジネスチャンスを発見する責任を負う。エコシステム構築者は、全員が効果的に協力しながら働けるよう、パートナーおよび開発者の幅広い集合体を構築し、パフォーマンスを最適化する役割を負う。ここで言う開発者には、シチズンデベロッパーが含まれる」と述べている。

インテリジェンスアーキテクト:この新たな役割は、ビッグデータの流行と結びついている。インテリジェンスアーキテクトは、企業が「アプリケーションやプロセスのあらゆる場所にソフトウェアインテリジェンスを組み込むのを支援する役割であり、増加し続ける量、スピード、複雑さを管理し、物理世界から得られたものを含め、社内および社外のデータのビジネス上の価値を最大化することが目標とする」とDaugherty氏とGhosh氏は述べている。この役職は、「情報戦略を作るエンタープライズアーキテクトと協調して、インテリジェントアーキテクチャの観点からアプリケーション開発を監督する」という。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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