また、「モバイルを超える大きなトレンドがIoTである」とし、「1人の人間がいくつものデバイスを活用することになる。また、さまざまなセンサが活用されることになる。デジタルの世界とアナログの世界がつながるIoTの市場は、2025年には11兆1000億ドル規模に達すると予測されているが、これは、中国のGDP(国内総生産)の2倍規模になる。IoTは、デバイス、ゲートウェイ、データセンターという3つの階層で構成されるが、ここにRed Hatの製品やサービスが生かされることになる」とIoT社会でも同社の製品やサービスが活用されることを示した。
そして、「クラウドはデジタルビジネスのための新たなプラットフォームになる」と位置付け、「コンテナ技術がクラウドを革新することになる。また、コンテナを利用したマイクロサービスを構築することで効率化が図れることになる」
大和総研ビジネス・イノベーション 代表取締役副社長 鈴木孝一氏
パナソニック インフォメーションシステムズ 代表取締役社長 前川一博氏
さらに、Badani氏は、「オープンソースと同じ速度で進むのがDevOps。われわれは、これに関する企業を買収している。Red Hatは開発者に対して、DevOpsの包括的な仕組みを提供している」と述べた。
Badani氏は最後に「これから劇的な変化を起こしたいのであれば、オープンソースを選択しなくてはならない。オープンソースは、デジタルの未来を形成することになる。Red Hatは、顧客の声を聞き、それをアップストリームに反映している。これはコードにまで、顧客の声を反映しているということである。われわれが破壊を及ぼす会社になりたい」と締めくくった。
基調講演では、大和総研ビジネス・イノベーション代表取締役副社長の鈴木孝一氏が「ITが変わる、ITで変える-最新欧州IT事情-」と題して、パナソニック インフォメーションシステムズ代表取締役社長の前川一博氏が「お客さま発 イノベーションの連鎖で拡げる事業 拡げるDelight!-ITサービス企業の挑戦-」と題して講演した。
大和総研ビジネス・イノベーションの鈴木氏は、欧州でのIoTの活用事例を示しながら、「オープンイノベーションが大切になっている背景には、それぞれが独自のものを導入する個別対応では効果が限定的である一方、幅広く、共通の仕掛けをしていくことで、より大きな効果が求められている点にある。そして、これは変化に耐えうるものにもなる」などと発言した。
パナソニック インフォメーションシステムズの前川氏は、パナソニックグループでオープンソースを活用している事例を示す一方で、「IT業界には顧客の姿が見えていないという課題がある。また、これから使用を開始するのにカットオーバーという言葉が使われている不思議さもある」などとした。