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日本株展望

日本郵政グループ3社の投資の考え方 - (page 3)

ZDNet Japan Staff

2015-11-06 10:46

国が大株主なので株主への利益還元には熱心

 郵政グループ3社は、いずれも株主への利益配分に熱心だ。日本郵政とゆうちょ銀行は、2018年3月期まで配当性向50%以上を目安とする方針を表明している。かんぽ生命も配当性向は40%程度になると予想される。日本の上場企業の連結配当性向は平均で30%程度なので、郵政グループは3社とも株主への利益配分に熱心といえる。


 郵政グループ3社は、配当性向が高いことに加え、自社株買いも積極的に実施することが予想される。なぜかというと、国が大株主だからだ。国は、日本郵政の売却益から4兆円の資金を確保し、東日本大震災の復興財源にする方針を固めている。郵政グループ3社は、国に資金を還流するために、配当性向を高くし、積極的に自社株買いを行う必要があるわけだ。

 国が直接または間接的に大株主である民営化上場株は、総じて株主への利益配分に積極的だ。日本たばこ産業(2914)(11月5日時点の配当利回り3.2%)、日本電信電話(9432)(同2.2%)、NTTドコモ(9437)(同2.8%)は、いずれも株主への利益配分に積極的で、配当利回りを評価した長期投資対象として有望と考えられる。

過去の大型民営化上場の株価騰落率

 過去の大型民営化上場株を、新規上場の公募価格で取得して、2015年11月5日まで保有していたとしたら、株価はどうなっていただろうか?株式分割を修正して計算したのが以下の表だ。

過去の大型民営化上場株の2015年11月5日までの株価騰落率


(注:楽天証券経済研究所が作成)

 過去の大型民営化上場は、日本電信電話(NTT)を除き、株価は全て大幅に上昇している。民営化上場後、経営の効率化と業務範囲の拡大を進めることによって、利益を成長させることができたからだ。

 ただし、民営化株が、自由に経営できるようになるまで、長い年月を要する。JR3社は、上場後、5~10年は利益がほとんど伸びなかった。完全民営化(JR東日本2002年、JR西日本2004年、JR東海2006年)が実現してから、業務範囲を拡大して成長が加速した。JR東日本は、不動産事業・流通事業(駅ナカ)・新幹線で利益を成長させることができた。

 唯一、NTTだけは、今でも新規上場のときの公募価格を下回っている。利益を成長させるドライバーとなる主要子会社(NTTドコモ・NTTデータなど)が次々と上場していったことが影響していると考えられる。今でも、NTTドコモが非上場でNTTの100%子会社であれば、NTTの株価はもっと上昇していただろう。

 上場子会社が親離れしていくに従って、親会社の価値が落ちていく構造は、日本郵政にも起こり得る。ゆうちょ銀行・かんぽ生命・日本郵便それぞれに、将来利益を成長させる余地があるが、親会社の日本郵政の連結利益自体は、利益を稼ぐゆうちょ銀行・かんぽ生命が親離れすることで縮小していく懸念もある。

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