一部のアナリストは、HPおよびHPEが、米国内での製品販売実績以上に成長できるかどうか疑問を呈している。これらの疑問は、もっともなものばかりだ。実際、HPEやHPに関しては疑問しか出てこない。そのうちのいくつかを挙げてみよう。
- どちらかの会社がイノベーションへの投資を行うのか?Hewlett-Packardの研究開発費は増加傾向にあったが、前最高経営責任者(CEO)であるMark Hurd氏が削減する前の水準までは回復していない。この2つの会社が研究開発費をめぐって戦う必要はないが、これは必ずしもイノベーションのための投資が大きく増えることを意味しない。結局どうなるのかは、将来収益の何%が研究開発に費やされるかを見れば分かるはずだ。
- 2つのHPは、大規模なエンタープライズ顧客に対して、一体の組織として取引を継続していけるだろうか?HPとHPEは多くの契約を結んで、顧客が1つの会社から購入しているかのように、PCやサーバを調達できるような形を整えている。しかし時間が経つにつれ、HPとHPEの間の違いが、顧客の頭痛の種になる可能性はある。
- DellとEMCを制することはできるか?DellとEMCは今後いずれかの時点で合併する見込みであり、HPEとHPはそれを契機に優位に立とうとしている。HPEが顧客を獲得することは可能であるかもしれないし、その際にHPを通じてPCも同時に販売できる可能性はある。この2つの会社にとっての大きな課題は、今あるシェアは確実に守った上で、ライバルから顧客を奪い取ることができるかどうかだ。
- 度重なるリストラは成長につながるか?人員削減は両社とも行うが、HPEの方が、はるかに大きな一時解雇を予定している。これらの企業が、その上で成長を維持できるのかどうかは明らかではない。
- HPEはクラウドコンピューティングへ移行する動きに対応できるのか?HPEはハイブリッドクラウド市場とプライベートクラウド市場を主戦場にしている。HPEは果たして「Amazon Web Services(AWS)」のようなライバルの攻勢をしのぐことができるのだろうか。
- 3D印刷はHPを救うか?HPは2016年に3D印刷市場に本格参入する予定であるとされているが、この市場はすでに勢いが弱まりつつある。3D印刷がHPの成長エンジンとして機能しない場合、同社の収益はPCとプリンタの販売に頼らざるを得なくなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。