ストレージ大手のEMCは米国時間11月10日、「EMC Isilon Scale-out NAS」ストレージソリューションの次世代版を発表した。この次世代版には「EMC Isilon CloudPools」と「IsilonSD Edge」という新製品のほか、「EMC Isilon OneFS」に対する機能向上が含まれる。
同社が今後提供を予定しているCloudPoolsは、IsilonのストレージとそのOSであるOneFSをネイティブなかたちで、「Microsoft Azure」のほか、Amazon Web Services(AWS)やEMC傘下のVirtuStreamのパブリッククラウドサービスに接続できるようにするためのソリューションだ。
EMCのエマージングテクノロジ部門のマーケティングおよび製品管理担当シニアバイスプレジデントを務めるSam Grocott氏によると、顧客はファイルシステムを変更することなく、パブリッククラウドを含めたストレージの階層化が可能になるという。
また、ストレージ管理者はクラウド上のネットワークパスを、あたかもOneFSが管理するストレージ上のパスであるかのように扱うことが可能になるという。さらに同氏は、CloudPoolsは「EMC Elastic Cloud Storage」(ECS)を介することで、プライベートクラウドにも接続できると述べた。
EMCの今回の動きは、ハイブリッド環境により力を入れていくという同社の戦略を浮き彫りにしている。Grocott氏は、企業がパブリッククラウドストレージをバックアップ目的だけでなく、アーカイブ目的でも利用するようになってきていると指摘している。
CloudPoolsは、OneFSプラットフォームに対するアドオンというかたちで、2016年の初めに販売が開始される予定だ。
CloudPoolsへの取り組みは、EMCの「Data Lake 2.0」戦略の一環となっている。これは、企業がビッグデータの利用を推進していけるよう、構造化データと非構造化データを1カ所に集積することを念頭に置いた戦略だ。
CloudPoolsに加えて、EMCはOneFSの次世代版も展開すると発表した。この新OSには、アップタイムを保証するための無停止アップグレード(NDU)機能の完全なサポートも含まれる。また、アップグレード前の状態に、必要に応じてロールバックする機能も提供されるという。
さらにEMCはIsilonSD Edgeの展開も発表した。これは、企業の支店や遠隔地にあるオフィス向けのソフトウェア定義ストレージシステム(SDS)だ。IsilonSD Edgeはコモディティ化されたハードウェア上で稼働するシステムであり、「VMware ESX」や「VMware vCenter」をサポートし、最大36テラバイトまでのデータサービスを管理できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。