Microsoftは米国時間11月9日、Ethereumブロックチェーンサービス「Ethereum Blockchain as a Service(EBaaS)」を発表した。Windows Azure上で展開するブロックチェーン開発環境となり、財務、金融分野を中心に開発者や企業は容易にクラウドベースのブロックチェーン開発環境を手に入れることができるとしている。
ブロックチェーン技術はBitcoinなど仮想通貨の中核となるもので、バックエンドデータベースとしての役割を持ち、PtoPネットワークを利用して発見と通信を行う。Ethereumはオープンソース技術で、スイスの非営利団体Ethereum Foundationが母体となる。
MicrosoftのEthereum Blockchain as a Serviceは、ブロックチェーンエコシステム向けのツールやアプリケーションを開発するベンチャー企業ConsenSysと共同開発したもので、まずは統合開発環境(IDE)「Ether.Camp」とプライベートやセミプライベートのEthereumブロックチェーン環境を提供する。これらを利用して、SmartContract(ブロックチェーン上で利用される契約交渉などのためのプロトコル)ベースのアプリケーションを構築できるという。
Windows Azure上ですぐに利用できる低コストな開発、テスト、運用環境として提供することで、財務系の顧客などブロックチェーン技術への関心が高い一方で、気軽に試すことができないという課題を解決する。簡単にプライベート、パブリック、コンソシアムベースのブロックチェーン環境を構築し、Azureの「World Wide」分散プラットフォームを利用して配布できるという。
MicrosoftはBitcoinのブロックチェーン技術ではなくEthreumを選んだ理由として、柔軟性と拡張性をあげている。Ethereum Foundationが夏に公開した「Frontier Release」では本格的に利用できる技術レベルに達しており、活発なコミュニティもあるとしている。