Linuxはスーパーコンピュータ分野を支配している。最新のスパコンランキング「TOP500」によると、世界で最も高速なスーパーコンピュータの97%でLinuxが動いている。しかし、OSだけでは高性能コンピュータ(HPC)を動かすには不十分だ。そこで、オープンソースソフトウェア業界がこの取り組みをサポートするべく取り組みを立ち上げた。
Linux Foundationは米国時間11月12日、半年に1度のイベント「SuperComputer Conference」に先立ち、HPCに取り組む企業や研究所などと共同で「OpenHPC Collaborative Project」を立ち上げると発表した。高度なHPC環境をサポートするオープンソースのフレームワークを開発していくという。
メンバーには、アルゴンヌ国立研究所、バルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、インディアナ大学のエクストリームスケール技術研究センター、Cray、Dell、Fujitsu Systems Europe、Hewlett Packard Enterprise、Intel、ローレンス・バークレー国立研究所、Lenovo、ロスアラモス国立研究所、NEC、サンディア国立研究所、SUSE、テキサス先端計算センターなどそうそうたるメンバーが含まれている。
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HPCは主として大規模な気象学、天文学、工学、原子物理学のモデリングや計算に利用されている。並列ランタイムなど独自の要件を持ち、ソフトウェアを作成することは簡単ではない。スーパーコンピューティングにはプログラミングの技術が必要だが、これは他のコンピューティグとは全く異なるものだ。
Linux Foundationによると、HPCソフトウェア開発を容易にするべく、「OpenHPCはHPC環境向けに新しいオープンソースのフレームワークを提供する。これはアップストリームのプロジェクトコンポーネント、ツール、相互接続で構成され、ソフトウェアスタックを可能にする。コミュニティーは統合、検証されたHPCコンポーネントのセットを提供し、これらを利用してフル機能を備えたHPCソフトウェアスタックを開発者、システム管理者、ユーザーに提供できる。OpenHPCはオープンソースでありフレームワークに依存しないソフトウェアスタックであるため、複数の設定が可能な柔軟性とさまざまユーザーのニーズを満たす拡張性を備える」という。
具体的な取り組みとして、以下を掲げている。
- 安定性のあるテストと検証環境の構築
- コスト削減
- 堅牢性があり多様なオープンソースソフトウェアスタックの提供
- 柔軟性のある設定のためのフレームワークの開発
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。