--Microsoftで上げた成果の中で、もっとも誇りに思っているものは何ですか。
わたしは、一緒に働いたり、部下として率いる機会を持てた素晴らしい人たちやチームを誇りに思うと同時に、世界の何十億人という顧客に使ってもらえる製品やサービスを提供する立場に立つチャンスを得られたことを誇りに思います。
--あなたはBuild 2013のとき、Windows 8周りの.NETのメッセージングやアクションに関して、Microsoftにないがしろにされたと感じた開発者に対して公式に謝罪したことがありますね。退社することになった今、.NETの開発者に何かメッセージはありますか。
.NETは世界でもっとも大きな開発者プラットフォームの1つです。2014年には、.NETはオープンソースおよびクロスプラットフォームへの移行を開始しましたが、これは.NETがクラウドやモバイルのトレンドに合わせて成長を続けるための重要な要素です。わたしは、今.NETの開発者であることは非常にエキサイティングなことであり、.NETおよび.NETのエコシステムの前途に広がるチャンスは大きいと考えています。.NETの開発者コミュニティーには大いに感謝していますし、コミュニティー全体の今後の発展を祈っています。
--あなたは開発者部門に在籍中、Microsoftのオープンソースに対する立ち位置が変わる中、OSSを熱心に支持し続けました。なぜMicrosoftが自社のテクノロジのソースを公開することを積極的に推進し、オープンソース企業と密接に連携したのですか。
オープンソースは、ソフトウェアプラットフォームに関する強力なエコシステムを発展させる上で、大きな力になっています。オープンソースが企業や個人間の豊かで協力的な開発者ベースの発展に寄与し、素晴らしいエコシステムの構築に繋がった例は、われわれの技術か他の技術かを問わず、数多くあります。他の人の成果を活用でき、お互いに学び合えることは非常に強力であり、そのプロセスに関わる全員にプラスに働きます。究極的にはソフトウェア開発者だけでなく、作ったソフトウェアのエンドユーザーもその恩恵を受けます。オープンソースへの関与は双方向でなくてはなりません。オープンソースへの貢献と消費の両方が揃って、健全で活力ある活動になるのです。
--多くのMicrosoftの開発者やパートナーは、Microsoftが「Visual Studio」を他のプラットフォームに移植しないのかとずっと考えています。あなたはこれが必要だと思いますか?あるいは、他のツールメーカー(Xamarin、Unity、Cordova)とMicrosoftの既存のパートナーシップ、あるいは潜在的な新しいパートナーシップだけで十分だと思いますか。
これまで、Microsoft自身が、開発者向けのテクノロジを他のプラットフォームに提供することもあれば、当社のフレームワークや言語、ツールなどを新たな場に提供するのに長けた、他のエコシステムの他の会社とMicrosoftがパートナーシップを組んだ場面もありました。わたしは、.NETやC#、Visual Studioなどが持つエコシステムに、多くのパートナーが取り組んでいることは、素晴らしいことだと考えています。同時にMicrosoftは、エコシステム全体を前進させるために、オープンソースやクロスプラットフォームの.NET、「Visual Studio Code」、「Visual Studio Community」の導入などに取り組むことができるでしょう。